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 左ひざに痛みを抱えるアルペンスキーの日本男子のエース、湯浅直樹(34)=スポーツアルペンク=を支えようと、医師7人が交代で自腹を切って来年1月23日までのワールドカップ(W杯)の全戦に同行する。

 全日本スキー連盟(SAJ)は世界選手権などの大きな大会に医師を同行させるが、W杯については予算や人繰りの関係から医師を派遣できていなかった。左ひざの軟骨を欠いてから10年以上がたつ湯浅は昨季、トレーナーと相談して試合前に滑らない日を多くしたものの、腫れ上がったひざは今年1月下旬に限界に達した。「自分の打ちたいタイミングで(痛み止めの注射を)打てず、非常につらかった」

 その姿を見たいちはら病院(茨城県つくば市)の整形外科医、池田耕太郎院長(54)がSAJの皆川賢太郎競技本部長らに相談し、自費で試験的に同行することになった。池田さんは筑波大医学スキー部出身で、2002年ソルトレーク五輪ではスノーボードのチームドクターとして同行。湯浅とは14年に腰を手術した際にかかわった縁がある。

 ただ、池田さん一人が全戦に同行するのは難しいため、アルペン好きの医師に声をかけると、スキー部の後輩や学会の知人計6人が集まった。同行中は勤務先を休むため、外来診療や手術の予定は入れられない。治療費はもちろん受け取らず、往復の航空運賃や宿泊費などすべて自費にもかかわらず、だ。

 スキーブームのきっかけとなった映画「私をスキーに連れてって」の公開から、この秋で30周年。バブル期前後にゲレンデで滑りまくった36歳から54歳までの計7人が、W杯などの10大会を分担してカバーする。池田さんは「アルペンスキー愛に尽きる。好きじゃないと病院を休んでまではできない。選手第一で現場に迷惑をかけないようサポートできれば」。湯浅は「100%の善意。今季はなりふり構わず、一戦一戦フルアタックしていきたい」と決意を語る。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(笠井正基)