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 衆院選の直前に希望の党を結党し、野党再編の引き金を引いた小池百合子・東京都知事が突然、党代表を辞任した。自身の「排除」発言が原因で衆院選で大敗し、国政を国会議員に丸投げした末の辞任劇。後を継いだ玉木雄一郎新代表は、憲法改正や安全保障政策で、「創業者」小池氏の路線継承を強く打ち出し、党内の亀裂はさらに広がった。

 「国政はみなさんにお任せしたい。私は代表の座を降り、皆様方をサポートしたい」

 14日夕、希望の執行部を決めた国会内での両院議員総会。党の「一枚看板」だった小池氏が淡々とした口調で代表辞任を表明した。しかし、辞任の理由は明確に語らず、会場の複雑な思いを映し、拍手はまばらだった。

 「私自身が立ち上げる」。小池氏が希望の党の設立を表明した9月25日の記者会見からわずか50日。側近は「早く(国会議員に党務を)引き継ぎたかった」と気持ちを代弁する。

 10月の衆院選で、小池氏は誤算続きだった。憲法改正や現実的な安全保障政策を目指しながら、相いれない勢力も含む民進党との全面合流が浮上。「排除する」という発言に批判が集まり、衆院選で235人を擁立しながら、50議席にとどまった。しかも当選者の大半は民進党出身者で、小池氏周辺は「コントロールが利かないメンバーになった」と漏らす。

 「都政に邁進(まいしん)せよとの有権者のメッセージだ」と、その後は都政優先の姿勢を強調。対照的に党運営は「国会議員団に委ねる」と繰り返し、今月10日の共同代表選の投開票の場にも姿を見せなかった。共同代表に選ばれた玉木雄一郎氏とは、携帯電話の番号も知らなかった間柄。小池氏の意向が強く反映されていた当初の党規約も改正され、党内の「小池離れ」が進んだ。

 希望の支持率は朝日新聞社が11、12両日に実施した世論調査で3%に低迷。今月12日投票の東京都葛飾区議選でも、小池氏が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」の公認5人のうち4人が落選し、失速ぶりがあらわになった。報道各社の調査では「小池氏は都政に専念するべきだ」との声が多数を占めた。

 小池氏自身も追い詰められる中、「挽回(ばんかい)するには党代表を辞め、有権者が望むように都政に専念するしかない」と側近は明かす。希望の執行部が決まったタイミングを見計らい、代表辞任を表明した。

 ただ、小池氏の失速で、足元の都政にも火がつき始めた。7月の都議選で協力し、過半数に届かない最大会派の都民ファーストとともに「知事与党」として支えてきた公明党は、そもそも小池氏が国政に進出したことに不満が強い。都議会公明の東村邦浩幹事長は14日、「従来は小池知事を全面的に支えてきたが、一線を画して是々非々で臨む。知事与党ではない」と取材に明言した。

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