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 致死率が5割前後とされるエボラ出血熱の重症化の仕組みの一部が、東京大医科学研究所の河岡義裕教授らの研究チームの患者の血液の分析でわかった。死亡する患者と回復する患者を見分けるのに役立ちそうなたんぱく質なども見つかった。16日付の米科学誌「セル・ホスト&マイクローブ」に論文を発表した。

 チームは2015年2月~8月にかけ、エボラ出血熱が流行していた西アフリカのシエラレオネで患者20人と感染していない成人10人の血液を分析した。患者のうち9人は死亡し、11人は生き残った。

 死亡した患者は回復した患者に比べ、血液中に漏れ出した膵臓(すいぞう)の酵素の量が約30倍多かった。膵臓の酵素は通常は必要以上に膵臓の外に出ないが、重症化した患者はウイルスによって膵臓が損傷を受けて酵素が漏れ出し、全身の臓器を傷つけたり出血を起こしたりしたと考えられるという。

 また、死亡した患者は回復した患者に比べ、症状が出始めてから亡くなるまで、血液中の「ビタミンD結合たんぱく質」とアミノ酸「L―スレオニン」の量が2分の1~4分の1しかなかった。河岡さんは「重症化しそうな患者を見分けるのに役立つ可能性がある」と話している。

 研究チームは今もシエラレオネで研究を続けており、活動状況を動画で紹介している(https://www.youtube.com/watch?v=93Bbf2Y2mrY別ウインドウで開きます)(大岩ゆり)