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 中国の少数民族、苗(ミャオ)族の細密な刺繡(ししゅう)を紹介する展覧会が東京都世田谷区で開かれている。晴れ着や赤ん坊を背負う背帯など約60点は、刺繡に魅せられた愛知県の夫妻が集めた。苗族が暮らす土地でも失われつつある手仕事の伝統を鮮やかに伝える。

 苗族は中国南西部の貴州省に多く住む。山あいの村で、身にまとうものも自給自足。綿や蚕を育てて糸を紡ぎ、布を織って服を仕立ててきた。それは女性の仕事で、母から娘へと技術が伝えられてきた。

 「邪悪なものは布目から入ってくる」という言い伝えがあり、子どもの服や晴れ着に細かい針目で丁寧に刺繡をほどこす。独自の文字をもたない苗族は、刺繡が伝説や信仰を伝えるすべだったともされる。

 愛知県常滑市の佐藤雅彦さん(57)、瑞代(みずよ)さん(49)夫妻は1990年代後半から2007年まで中国に滞在、刺繡のとりこになった。苗族の村を何度も訪れ、交流を深めた。高度成長と開発の波が貴州省にも及んで、若者が出稼ぎに行き、買った洋服を着ることも増え、文化の伝承が難しくなっていた。

 2人は01年、貧しい家庭の子…

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