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 もし、所有するアパートが入居者の自殺や殺人事件などの発生で「事故物件」になったら、家主は借り主に賠償を求めることはできるのか――。実際に入居者ら2人が亡くなったアパートで、オーナーが借り主の会社側に損害賠償を求めた民事訴訟の判決公判が28日、山口地裁で開かれる。

 訴えたのは山口市内のアパートを所有する家主の男性だ。訴状などによると、2012年、男性のアパートの一室に会社員の女性が入居した。部屋は借り上げ社宅で、借り主は女性が働く小売会社(大阪府)だった。

 2015年のある日、女性の部屋で、女性がベッドの上で死亡し、知人男性が首をつった状態で亡くなっているのが見つかった。県警は無理心中事件とみて捜査。男性を殺人の疑いで書類送検した。

 原告側は、事件の影響で借り手がこのアパートへの入居に強い抵抗を感じやすくなったと主張。事件から10年間は賃貸契約を結ぶことが難しくなり、仮に契約できたとしても賃料を通常の4万7500円から半額にせざるを得ないとして、損害を10年分の家賃の半額である285万円と算出。借り主の小売会社に賠償を求めた。

 被告側は請求の棄却を求めている。

 裁判資料によると、事件後、原告はアパートの部屋の清掃やリフォームに19万円ほどかけた。代金には3カ月分の敷金を充て、不足分は被告が支払った。原告は自費でおはらいもした。事件を受けて、この部屋の近くに住む入居者からは「家賃を下げてほしい」と要請を受けた。今年初めまで、事件のあった部屋に入居希望の話はなかったという。

■賠償の基準、法律に定…

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