[PR]

 来日中のフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官が20日、都内の日本記者クラブで会見し、ミャンマーから60万人超のイスラム教徒ロヒンギャがバングラデシュに逃れている問題について、「世界的にみても、1990年代以来の深刻な危機だ」と警鐘を鳴らした。両国と友好関係にある日本政府の支援を評価し、さらなる貢献に期待を示した。

 バングラデシュの避難先を9月に視察したグランディ氏は、現地の状況を「食料から医療、避難所、心のケアまで求められていることは相当大きい」と説明した。支援の規模とともに、2カ月で隣国に難民が殺到したスピードと、女性や子どもも対象となっているという迫害の度合いの3点を問題視。ルワンダ虐殺や旧ユーゴ紛争があった「90年代以降、世界で最も深刻な危機にある」と警告した。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、いま最も重点を置いて対処している問題だとも述べた。

 難民の帰還に向けては、暴力の停止と市民権の回復が不可欠だと指摘。「困難だが実現不可能ではない。ミャンマー政府の政治的な意思が必要だ。共存への理解を、最も力を持つ軍に促すのが大事だ」と語った。

 国際社会の支援を求める中で、16億5千万円の拠出を表明した日本政府を高く評価。「ミャンマー、バングラデシュともに友好関係にある日本は、重要な役割を果たすことができる」と期待を込めた。

 グランディ氏の来日は3回目。河野太郎外相やNGO関係者らと会談した。

 昨年1年間に難民認定の申請が初めて1万人を超えた日本政府に対し、「今年も上半期だけで申請が約8千人と増えるなか、迅速で効果的な審査制度が整っていない。申請者の状況についても、勾留や収容ばかりでなく、地域社会やNGOを活用して受け入れる手段も検討すべきだ」などと要望したという。また長らく米国に次いで2番目に多かったUNHCRへの拠出金が13年以降で減少傾向にあることも落胆している、と伝えたという。

こんなニュースも