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 夜間に人工的に照らされた地域が、世界で年に2%ずつ増えていることが、宇宙からの観測データでわかった。国際研究チームが22日付の米科学誌サイエンス・アドバンシズ(電子版)で発表した。過剰な光による「光害(ひかりがい)」が、健康や生態系に悪影響を生じさせるおそれがあると警告した。

 人工衛星からの観測データを2012年から16年にかけて分析。暗くなったのは戦禍のシリアなど一部で、アジアやアフリカなどでは照明に照らされた地域の面積や明るさが増し、世界の平均では年に2・2%ずつ増えていた。

 研究チームは、省エネ型の発光ダイオード(LED)が普及したものの、夜間の照明全体が増えて省エネ効果を相殺する「リバウンド効果」のおそれがあると指摘。また、米国や日本の光にはあまり変化がなかったが、今回の研究ではスマートフォンなどから出る「ブルーライト」の波長は含めていないため、実際には光害がさらに大きい可能性もあるという。

 光害は安眠や星空観測への悪影響、ウミガメの産卵の妨げ、農作物の成長遅れなどを起こす。国内では、条例で深夜消灯や遮光を進める自治体もある。(小堀龍之)