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 母国シリアの内戦から逃れ、人道配慮で日本に暮らす男性が、妻子を呼び寄せられずに悩んでいる。背景には、日本の入管審査の厳しさがあるという。

定住資格得られず

 「いま一番欲しい、マイワイフ、ベビー。ただ一緒に過ごしたいだけ」。三重県桑名市に住むハムディ・サワスさん(34)はシリア北部のアレッポ出身。特定活動という在留資格を持ち、現在は3年間の在留が認められている。

 サワスさんが初めて日本に来たのは2005年ごろ。自動車輸出関連の仕事で母国と行き来をしていたという。日本で難民申請をしたのは13年。母国は「アラブの春」(11年)以降、過激派「イスラム国」(IS)などによる内戦が激化していた。定住者資格がある難民とは認められなかったが、「人道的な配慮」で特定活動という資格を得た。

 間借りする築60年以上の民家の一室でサワスさんが思うのは、8千キロ以上離れたトルコの国内を転々とする妻子のことばかり。

 長女ナジャちゃん(4)とは2年前に会ったきりだ。携帯電話には妻バラさん(23)から送られる娘の画像がたまっていく。起床時、5度の礼拝、仕事の合間や眠る前、携帯電話で時刻を確認するたび、待ち受け画像の娘を見て、思い焦がれる。トルコのインターネット回線は不安定でテレビ電話は難しい。妻子がトルコ国境のどの辺りにいるのかすらもわからない。

 妻子を日本に呼び寄せたくても「制度の壁」に阻まれているという。定住者資格を持つ難民と違い、特定活動の資格では家族を呼び寄せられない。可能にするために、「定住者」への資格変更を昨年11月と今年8月に申し出たが、いずれも不許可だった。「これ以上私は何をすればいいのでしょう」とサワスさんは言う。

 仕事先など日本での暮らしを支…

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