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 おいしい日本酒をつくる秘密の一端が、佐賀大などのチームの研究で明らかになった。日本酒の酵母の染色体を調べたところ、一部が通常の2本ではなく3本存在する酵母の働きで、雑味の少ない酒ができることがわかった。染色体の数に着目することで、良い酵母を選ぶことができるようになる可能性がある。

 チームは雑味のもとになる「ピルビン酸」の生成が少なく、スパークリング酒の醸造に使われている酵母株に注目。16番まである酵母の染色体のうち、11番と14番の染色体が3本あることを確認した。

 また、染色体の数が増えると、ピルビン酸の生成が減ることを確かめるため、種類の異なる45株の染色体の数を調べた。

 45株から実際に日本酒をつくってピルビン酸の生成を見たところ、染色体の数が多いほど、ピルビン酸は減っていた。特に11番染色体に加えて他の染色体が増えるとピルビン酸が減ることがわかった。11番染色体が増えるとミトコンドリアが活性化し、ピルビン酸を消費すると考えられるという。

 10月30日に佐賀大で会見した北垣浩志・農学部教授(醸造微生物学)は「染色体の数に注目することで、良い特性の酵母を選ぶことが可能になる。今までにない観点で革新性の高い研究」と語った。

 著者のひとり、修士2年の田口誠我さんは「初めは(DNA配列の変化などの細かい)変異を探していたので、染色体の本数という(根本的な)話が出てきたときはぴんときていなかった。実験して良い結果が得られた」と喜んだ。

 研究は米国微生物学会誌に掲載され、国際学会でベストポスター賞を受賞した。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(杉浦奈実)