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 彦根市は27日、市立病院で70代女性が手術前の誤診で手術を受け、その後死亡する医療事故があったと発表した。市によると、遺族とは示談する方向で、12月4日開会の市議会に損害賠償額として2700万円を支払う議案を提案する。

 市立病院によると、市内の70代女性が昨年10月、めまいや体のぐらつきを訴え、受診。脳神経外科の専門医4人が「下垂体腫瘍(しゅよう)」と診断し、その後鼻から神経内視鏡を入れる手術を受けた。その際女性は大出血し、翌日死亡したという。

 病院が調べたところ、腫瘍と診断した部位には2センチほどの巨大な脳動脈瘤(りゅう)が見つかった。内視鏡が脳動脈瘤を傷つけ、大出血を引き起こしたことが判明した。術前診断では院外の脳神経外科医にも判断を仰いだが、脳動脈瘤には気づけなかったという。遺族とは示談協議を進めてきた。

 術前に血管検査をするか、放射線科医が画像診断すれば脳動脈瘤の存在がわかり、事故は回避できたと判断。今はこうした事前措置を導入しているという。

 金子隆昭院長は「患者さんやご家族の期待に応えられず、地域の皆さんにも不安を与えたことを深くおわびする。安全管理をはじめ医療の質の向上に取り組んでいく」と話した。(大野宏)