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 札幌市は、学生の住まいとして市営住宅の空き室を提供する事業を来年4月から始める。学生に団地の自治会活動にも参加してもらい、高齢化で空室が増えている団地のコミュニティーの活性化につなげる狙い。市によると、こうした取り組みは道内初という。

 提携する同市厚別区の北星学園大学と27日に協定書に調印した。事業の対象となるのは、同区のもみじ台団地。札幌冬季五輪が開かれた1972年前後に入居が始まり、当時、約5500戸でにぎわいをみせた。しかし、現在は約1割に当たる約500戸が空き室で入居者の高齢化が進んでいる。5階建ての建物にはエレベーターがなく、特に4、5階の部屋の空きが顕著だという。

 今回は、4、5階の2DK4戸程度を提供する。家賃は市営住宅の使用料に準じ、月1万2千円程度。12月から在校生を対象に入居者を募り、来年4月の入居開始を目指す。

 空き室を埋めたい市と、運営の若い担い手を求める自治会、学生が地域貢献に取り組むノウハウを蓄積したい大学の考えが一致。市営住宅は学生が単身で住むことができないが、「目的外使用の許可」という形で特別に認めた。

 協定締結式で田村信一学長は「団地は教員がフィールドワークにしたり、東日本大震災の避難者が入居した際に学生がボランティアでうかがったりと縁のある場」とし、「少子高齢化で学生たちはコミュニティーの活性化に関心が高い。経験を蓄積して他の自治体の先駆的モデルになれば」と歓迎。

 市の大場里樹・都市局長は「地域連携や学生のスキルアップなどでプラスになるように、成功させたい」と期待を述べた。(戸谷明裕)