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 安倍晋三首相は28日午前の衆院予算委員会で、2020年度末までの3年間に32万人分の保育の受け皿整備を進め、待機児童解消を目指す目標について、「今後ゼロになるかについて、断定的にゼロになるとはいえない」と述べ、計画通りに整備できてもなお待機児童が残る可能性を示した。

 政府が幼児教育の無償化策に巨額の財源を使う方向で検討していることに対し、保護者らからはまずは待機児童対策を進めるよう求める声が出ている。首相の発言には、無償化で保育需要がさらに掘り起こされ、目標が達成できなくなることに予防線を張る意図がありそうだ。ただ、保護者らから待機児童対策の優先を要望する声が高まる可能性もある。

 希望の党の長島昭久氏の質問に答えた。首相は32万人分の整備目標について「女性の就業率、その中で預けたい人が何%いるかを前提に置いている」とした上で「前提が絶対ではない。(幼児教育の)無償を強調していけば、新たな需要は当然出てくる」と語った。

 安倍政権は13年に打ち出した「待機児童解消加速化プラン」で、17年度末までに50万人分の受け皿を増やし、待機児童ゼロを達成するとしてきた。しかし需要は想定を超え、今年6月に待機児童ゼロの達成時期を3年先送りし、5年以内に32万人分の受け皿を増やす新プランを発表した。9月には整備を2年前倒しするとした。

 待機児童問題については歴代政権も解決を目指してきたが、働く女性が増えて保育ニーズが高まることを政府が見誤り、対応が後手にまわってきた。25~44歳の女性の就業率は01年の62・0%から、16年には72・7%まで上がっている。