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 ペダルをこぐ力をモーターで助ける「電動アシスト自転車」が発売されてから、来年で25年。こぐのが楽でスイスイ進むとあって、子育て世代を中心にすっかり定着。いまや原付きバイクなど二輪車の出荷台数を上回る。メーカー各社も、新商品の開発に積極的に取り組んでいる。

 1993年、ヤマハ発動機が売り出した「PAS(パス)」が国内初の電動アシスト自転車だ。先月28日には、その標準タイプを6年ぶりに全面改良した2018年モデルを発表。記者会見でタレントの藤本美貴さんは「大変な子育てを一つ、快適にしてくれる。行動範囲が広がった」と話した。

 来年2月9日発売の18年モデルは、これまでライバルのブリヂストン製だったフレームを独自開発し、車高を下げて女性にも乗りやすいように工夫した。走行を補助する力が特に強いモデルなど3種類から選べ、税込み11万8800円から。色も計18種類をそろえた。

 自転車産業振興協会によると、16年の電動アシスト自転車の出荷は約54万台で、10年間で2倍超に伸びた。原付きバイクなど二輪車の約34万台を大きく上回る。もともと高齢者を念頭に開発されたが、子どもの送迎や通勤、通学に広く使われるようになった。

 今年1~9月も前年同期比13%増と勢いは衰えず、かつて通勤や通学の足として親しまれた原付きバイクの低迷とは対照的だ。ヤマハ発の清水亘マーケティング部長は「毎年7%前後で市場は伸びている。今後は100万台に広がる可能性もある」。海外展開にも力を入れ始め、来年から北米にスポーツモデルの輸出を始める。

他社も商品拡充、競争激化

 他のメーカーもシェア拡大に懸命だ。電動アシスト自転車の最大手パナソニックは先月20日、電子キーをポケットやかばんに入れておけば、操作しないで解錠、発進できる車種を発売した。子どもを乗せていても、鍵を開けるときに目を離さずに済む。子育て世代を強く意識した機能だ。

 中高生の通学向けに力を入れるのはブリヂストンだ。10月中旬に売り出した新型車種には、大容量のリチウムイオン電池を採用。坂道が多く長距離の通学でも利用しやすいよう、1回の充電で最大約100キロを走れるようにした。

 日本市場の成長性を見込んで海外勢も攻勢をかける。自動車部品の世界大手、独ボッシュは日本向けにモーターやバッテリーの供給を始める。イタリアのビアンキなどの欧米ブランドが来年にもボッシュの部品を搭載したスポーツモデルを売り出す計画という。(木村聡史)