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 「ユーザーに感動をもたらし、人々の好奇心を刺激する会社であり続けることがソニーの存在意義だ」。東京都内の本社で1日、社長の平井一夫が訴えた。

 この日、11年前に撤退したイヌ型ロボット「アイボ」の復活を発表。前日には、今年度の営業利益が過去最高の6300億円になると公表され、ソニーとアイボの復活を重ねた。半導体が支えた好業績だった。ただ長年ソニーを苦しめてきた元凶はテレビ事業だ。その復調の影響も大きい。

 マレーシアに秘密がある。

 首都クアラルンプールの郊外にあるソニーの工場はフル回転だ。約6千人が働くこの工場はテレビのマザー工場。世界からパネルを一括調達し、ソニー流の「味付け」を加え、中国やブラジルの組み立て工場にも送る。パネル市況やテレビの販売動向に応じ、無駄のない調達ができる。

 製造ラインの肝がクリーンルームでの作業だ。従業員がLEDライトをはめ込んだ外枠に、液晶部の本体を取りつける。

 テレビは液晶部やバックライト、フィルターなど多様な部品からなる。パネルメーカーのいいなりに、それらをまとめた「モジュール」として調達すれば、「誰でもテレビが作れる」と揶揄(やゆ)された作り方だ。

 ソニーは「オープンセル」と呼ばれる液晶部のみの半製品を調達する方式に転換。テレビの画質を左右する中核技術や部品は自前で開発して組み込み、差別化した。部品の共通化でコストも減らした。

 工場の隣には設計センターの建設も進む。エンジニアの麦(マク)耐揚(リヌス)は、「これからは、設計と製造が真に一体となる」と意気込む。優れた製品デザインとコスト削減の両立をにらむ。

 ソニーのテレビ事業は、200…

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