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 カナダのトルドー首相は11月28日、性的少数派であることを理由に、軍や警察を解雇するといった「組織的な迫害」が過去にあったことを認め、公式に謝罪した。「政府や議会、カナダ人を代表して言います。私たちは誤っていました。謝ります。二度と繰り返しません」と述べた。

 カナダ政府によると、1950年代~90年代初め、レズビアンやゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーといった性的少数派の人々を公職から追放するなどしていた。政府や軍、連邦警察は、疑いをかけた同僚を職場の内外で見張っていた。特に60年代まで、同性愛は犯罪とされ、有罪判決や収監の対象になっていたという。

 トルドー氏は議会下院で「カナダ史で、しばしば見て見ぬふりをしてきた部分を事実と認めます」「カナダ史は完璧にはほど遠いが、過去の誤りを認めて正すことで、そこから学べる」などと演説した。議会には同性愛の有罪記録などを永久的に抹消する法案が提出された。

 カナダのグローブ・アンド・メール紙によると、首相の謝罪は満場で支持された。実際に公職を追われるなどした人の数は不明だが、政府は金銭的な補償制度を用意しており、申請者は2千~3千人になるとみられるという。(ニューヨーク=金成隆一