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 広告大手の電通は29日、来年1月1日付の役員人事を発表した。元総務事務次官の桜井俊氏(63)を執行役員に起用する。長時間労働問題で課題となった法令を守る仕組み作りを担当する。一方、新入社員の過労自殺事件当時に労務などを担当していた中本祥一副社長(67)は退任する。

 桜井氏は、人気アイドルグループ「嵐」の桜井翔さんの父。2016年6月に総務省の事務次官を退官。同年9月から三井住友信託銀行の顧問を務めているが、年内で辞める見通し。

 電通をめぐる労働基準法違反事件では、15年12月に過労自殺した新入社員の違法残業を防ぐ措置を怠ったなどとして10月、法人としての電通に対する罰金50万円の有罪判決が確定した。

 桜井氏は、法令を守る仕組み作りに取り組む。電通は桜井氏の起用について「組織の統制・運営に関する実績に申し分ないと判断した」(広報)。桜井氏は電通を通じ、「強い責任感をもって、責務に臨んで参りたい」とコメントした。

 一方、過労自殺事件当時に労務担当だった中本氏は副社長を退く。長時間労働問題で前社長が今年1月に引責辞任。中本氏も社内処分を受けている。今回の人事では、電通で初めて女性を執行役員に登用するなど新規性も打ち出した。