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 宇宙開発の道筋を決める宇宙基本計画の工程表に、国際協力による有人月探査が明記されることになった。背景には、米国の月への回帰が大きく影響している。

 日本はこれまで、2024年に運用を終了する国際宇宙ステーション(ISS)に次ぐ新たな計画について、ISSに参加する欧米、ロシア、カナダと模索する考えだった。だが、米ロの関係が冷え込み、中国が22年ごろに独自の宇宙ステーション建設を目指し、欧州が利用を検討するなど、先が見通しにくくなっていた。

 しかし、今年に入って状況が一変。米航空宇宙局(NASA)が、月の軌道に宇宙ステーションを建設し、月開発や火星探査の中継基地とする構想を発表。ロシアも9月、この構想に参加することを表明した。日本は米国を中心とする国際的な流れに乗ることで、新たな宇宙探査の方針を見いだした。

 日本は現在、ISS計画に年間約400億円を投じて、日本人の飛行士を定期的に長期滞在させている。有人探査で最も重要な「宇宙船」を持たずに、新たな計画で日本人飛行士を月に降り立たせるには、独自技術の「強み」をさらに磨き、国際協力のなかで存在感を高めることが重要だ。(杉本崇

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