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 冬の到来を受け、私たちが対策を講じているインフルエンザは、厳密には「季節性インフルエンザ」と呼ばれます。私たちの免疫にとって目印となる「抗原」を細かく変化させながら、複数の種類のインフルエンザウイルスが毎冬に流行を繰り返す点が特徴です。

 抗原が大きく異なるウイルスが新たに出現すると、多くの人が対応する免疫を持っていないため、広範囲での流行が懸念されます。こうした新たに出現したものを「新型インフルエンザ」、全世界規模の感染を「パンデミック」と呼びます。近年では、2009年にメキシコで新型インフルエンザが発生し、パンデミックをひき起こしました。

 新型インフルエンザは、どのようにして発生するのでしょうか。インフルエンザウイルスは人だけではなく、鳥や豚でも病気を起こします。こうした「鳥インフルエンザ」や「豚インフルエンザ」のウイルスが人に感染することはまれです。しかし、何らかの形で効率よく感染する仕組みを手に入れると、免疫を持たない人の間に流行し、新型インフルエンザとして猛威を振るうことになります。09年の新型インフルエンザは、豚インフルエンザに由来していたことが判明しています。

 ただ、新型インフルエンザはずっと「新型」であり続けるわけではありません。これまでのケースでは、流行を経て免疫を持つ人が増えると、季節性インフルエンザとして周期的に流行する程度の規模に落ち着きます。近年の季節性インフルエンザは、09年に発生した型(H1N1pdm2009)と、1968年の香港型(H3N2)が中心となっていますが、これらのウイルスも、発生した当初は「新型」だったわけです。

 次の新型インフルエンザがいつどのような形で発生するのか、予想することは困難ですが、人類にとっての脅威として世界的な規模で対策が練られています。

<アピタル:医の手帳・インフルエンザ>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学医歯学総合病院 感染管理部 茂呂寛准教授)