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 新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」を発射した北朝鮮。官営メディアは国民が歓喜していると伝えるが、北朝鮮関係筋が明かす内情は大きく異なる。電力は不足し、当局は市民からの「富の収奪」に躍起。金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長を中心とする高位層にも混乱が広がっているようだ。(ソウル=牧野愛博)

 党機関紙・労働新聞(電子版)によれば、平壌の金日成(キムイルソン)広場で1日、火星15の試射を祝う軍民交歓大会があった。発射から3日目。出席した幹部は「わが国の千万年の未来を約束した民族史的な大慶事だ」と強調した。大会終了後、花火が打ち上げられた。

 だが、視線を平壌市内全体に向ければ、全く違う世界が広がっている。明るいのは、正恩氏の肝いりで建設された「黎明(リョミョン)通り」「未来科学者通り」や富裕層が住む場所だけ。「革命の首都」と呼ばれる平壌でも、比較的一般市民が多い東側は真っ暗だという。

 理由は、当局が導入した電気料金引き上げだ。平壌も極端な電力不足で、高官が住む中区域でも電力供給は午前6時~午後7時。他の区域は1日1~2時間に限られる。以前は無料、2000年代後半からは基本料金だけの徴収だったが、今年から一定使用量を超えると累進で料金が上がるシステムに変わった。

 北朝鮮では、金正恩政権が市場経済を一部導入した影響で貧富の格差が広がっている。お金がない人は、たとえ電気が使える状態でも手を出せない。このため、平壌でも「光のコントラスト」がより一層明確になっているという。

 電力不足で鉄道の運行も滞る。北朝鮮の鉄道は電化区間が多い。平壌から日本海側の元山まで3日、清津まで1週間かかる。日本の新幹線ならわずか数時間の距離だ。

 国際社会の制裁で外貨不足が深刻になるなか、市民から富を吸い上げようとする措置は他にも広がる。北朝鮮関係筋は「貧富の格差が広がったことを悪用している。制裁に泣くのは弱者だ」と語る。

 当局は国際列車が走る平壌―新…

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