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 欧州連合(EU)の経済・財務相理事会は5日、著名人や企業の投資先になっているタックスヘイブン(租税回避地)のうち、悪質と判断した計17の国・地域のリストを公表した。金融支援の打ち切りなどの制裁を科すことも検討する。

 リストに載ったのは米領グアムや韓国、チュニジア、マーシャル諸島など。EUからみて国際的に不公平な税の制度を採用し、税情報の提供に非協力的な非EU加盟国を対象にした。韓国は、不公平な優遇税制の是正を約束しなかったことが問題視されたという。

 具体的な制裁は今後、検討する。EUの基金による支援の打ち切りなどが議論されているとみられる。

 だが、対象を非EU加盟国に限定したことで、域外の国から批判を浴びる可能性もある。

 EUは理由について「加盟国はすべて税情報の共有で協力している」などとするが、ルクセンブルクやアイルランドなど優遇税制を設けて企業を誘致している加盟国に配慮したとの指摘もある。国際NGO「オックスファム」は、EUが今回採用した基準を加盟国にもあてはめると、これら2カ国を含むEUの4カ国もリストに入ると主張する。

 EUは昨年、リスト作りに着手したものの進展しなかった。だが、タックスヘイブンの実態を明らかにした国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の「パラダイス文書」の報道が議論を後押ししたという。

 行政機能を担う欧州委員会のドムブロフスキス副委員長(金融サービスなど担当)は先月、「パラダイス文書が新しい政治的な推進力を生むことを期待している」と年内のリスト公表に意欲を示していた。(ブリュッセル=津阪直樹)

【EUのタックスヘイブンリストに載った国・地域】

米領サモア、バーレーン、バルバドス、グレナダ、米領グアム、韓国、マカオ、マーシャル諸島、モンゴル、ナミビア、パラオ、パナマ、セントルシア、サモア、トリニダード・トバゴ、チュニジア、アラブ首長国連邦

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