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 パナソニックが成長の柱に据える電気自動車(EV)向けの電池事業で主な顧客である米テスラが新車「モデル3」の生産に苦しんでいる。パナソニックにとっては業績の下ぶれにつながる可能性があるが、梅田博和・最高財務責任者(CFO)は5日、朝日新聞の取材に「テスラの問題は改善している感触がある」と話した。

 モデル3は3万5千ドル(約390万円)で、それまでの車種の半額ほどに抑えた。今年7月に出荷を始めたが、すでに50万台分の受注があり、EVの本格的な普及につながると注目されている車だ。

 パナソニックは米ネバダ州にあるテスラの工場「ギガファクトリー」に2千億円弱を投じて生産設備を入れ、モデル3向けに乾電池サイズのリチウムイオン電池を生産している。テスラは、この電池を数千個組みあわせてEVの電源部品にしているが、自動で組み立てる工程でトラブルがあり、手作業になっているという。このため、9月までの生産は予定の5分の1以下の260台にとどまった。

 モデル3の生産の遅れが長引けば、巨額の投資の回収に不安が出てくる。11月中旬に工場を見た梅田氏は「テスラとの情報交換は密にしている。問題は改善されつつあるという感触を得ている」と語った。テスラは手作業を自動化し、車の生産スピードをあげようとしており、来年3月には週5千台に増やす目標を掲げている。(清井聡)

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 〈テスラ〉 2003年にイーロン・マスク氏が米国で設立したEVメーカー。4ドアセダンの「モデルS」やスポーツ用多目的車の「モデルX」に加え、今年7月に価格を3万5千ドル(約390万円)に抑えた「モデル3」を発売した。株式を上場しており、今年4月には会社の価値を示す指標のひとつである時価総額で米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いた。