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 トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの「首都」と認め、在イスラエル米大使館をテルアビブからエルサレムに移転させる方針を示したことに、東エルサレムを将来の独立国家の首都と位置づけるパレスチナ側は反発を強める。中東和平がいっそう遠のき、緊張が高まるのは必至だ。

 地元メディアなどによると、パレスチナ各派は5日、6~8日を「怒りの日」と名付け、ヨルダン川西岸全域で抗議活動を呼びかけた。イスラエル軍や治安当局は衝突が予想される場所や米政府施設周辺などの警戒を強化することを決めた。エルサレムの米総領事館は政府職員や家族にエルサレム旧市街や西岸への訪問を控えるよう求めた。

 パレスチナ自治政府のアッバス議長は5日、トランプ氏から電話で意向を説明された際、「和平プロセスに有害な結果になる。地域と世界の安定と安全に重大な結果を招く」と警告した。

 トランプ氏との電話協議で、サウジアラビアのサルマン国王は「世界中のイスラム教徒の感情を刺激する」とし、ヨルダンのアブドラ国王やエジプトのシーシ大統領もそれぞれ懸念を伝えた。

 アラブ連盟(21カ国と1機構)は5日、「エルサレムを首都と認めることは、イスラム教徒とキリスト教徒のパレスチナ人、さらにアラブ諸国に対する露骨な攻撃である」とする声明を発表した。この問題をめぐって、同連盟は近く緊急会合を開く予定だが、対米関係をめぐって加盟国の間には隔たりがあり、足並みをそろえた強い対応に出るかは不透明だ。(エルサレム=渡辺丘、カイロ=翁長忠雄)