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 国家ぐるみのドーピング問題を抱えるロシアについて、国際オリンピック委員会(IOC)は5日、来年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪には潔白が証明された選手のみの参加を認めることを決めた。ドーピング違反による選手団の締め出しは五輪史上初めて。ただ、参加する選手を「ロシアからの五輪選手」として位置づけることで冬季競技に強いスポーツ大国との全面対立を避けた。これを受け、ロシアのプーチン大統領は6日、「参加を阻まない」と述べた。

 IOC理事会は5日、2014年ソチ五輪の不正を調べた委員会から検査所での尿検体のすり替えなど組織的な不正が報告されたのを受け、ロシア・オリンピック委員会(ROC)を資格停止処分にした。IOCのバッハ会長は「五輪とスポーツへの前代未聞の攻撃だ」と断罪。国旗や国歌の使用も禁止した。

 ロシアのドーピング疑惑は昨年のリオデジャネイロ五輪前に発覚していた。しかし、IOCは全面除外をせず、各競技の国際連盟に判断を委ねたため、弱腰と批判を浴びた。世界反ドーピング機関は依然、ロシア反ドーピング機関の資格停止を解除していない。リオと同様の「丸投げ」では、IOCに薬物汚染を根絶する覚悟があるのか、疑われかねない瀬戸際だった。

 一方、IOCが今後示す条件を満たせば、閉会式までにROCの資格停止を解除する可能性を残し、ボイコットも示唆してきたロシア側の参加意欲を促した。(ローザンヌ=稲垣康介