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 お年寄りらの口腔(こうくう)ケアをするスタッフへの新たな研修制度を厚生労働省は創設する。歯科医師や歯科衛生士がいない現場でも専門的なケアができるよう、病院や介護施設の看護師や介護スタッフに学んでもらう。最期まで口から食べることの支援や誤嚥(ごえん)性肺炎を減らすことにつなげる狙いがある。

 研修は、歯科医師や歯科衛生士が講師を務める。患者らが自分でうまく出せないたんを専用のジェルを使って除去する、食事や会話が続けられるよう器具を使い口の周囲の筋肉を鍛える、といったケアの方法を教える。病気ごとにケアをする際の注意点を伝えることも想定する。

 厚労省は来年度、この研修に約1億円を充て、実施する自治体に経費の半額を補助する方針。厚労省によると、2014年時点で歯科の診療科がある病院は全国で約2割。介護施設などを訪問する歯科医師や歯科衛生士のニーズは高まっているが、その数は追い付いていない。新たな研修制度によって適切なケアができる施設を増やしていく。

 口の中には多数の常在菌がいて、唾液(だえき)にまじって気管内に入ると、誤嚥性肺炎の原因になる。要介護者への口腔ケアは、肺炎の発症を抑えることがわかっている。また、口腔ケアが入院期間を短縮させるという報告もある。歯科医師らによる専門的なケアを受けた患者と一般的なケアを受けた患者を比べると、専門的なケアを受けた患者は10~20%程度、入院日数が短かった。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(福地慶太郎)