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 ◇「景観改善」区が喫煙所撤去したが…

 

観光や待ち合わせスポットで有名な渋谷駅前のハチ公前広場で、たばこの路上喫煙や吸い殻のポイ捨てが目立っている。広場にはこれまで喫煙所があったが、景観の改善で昨年11月に撤去したことがきっかけだ。区は注意書きの看板を設置するなど対応に苦慮するが、喫煙者の姿は絶えない。

 ◆「禁止」看板前 吸い殻ポイ捨て

 年の瀬のハチ公前広場。「ここでタバコは吸えません!」などと記された立て看板の前で、若者や会社員らが寒空のなか、一服していた。

 吸い終わると忠犬ハチ公像を囲う植え込みに、吸い殻を捨てて立ち去る人が多くいた。たばこを吸っていた都内の女性(20)は「皆が吸っていたので。注意します」と話した。

 渋谷区が委託する清掃会社の清掃員が現れても吸い続け、吸い殻を植え込みや地面に捨て去る人もいた。清掃員は「掃除してもまた吸いにくる。いたちごっこです」と漏らした。

 区は「渋谷区分煙ルール」を定め、2004年から渋谷・原宿・恵比寿駅の半径300メートル以内を「分煙ルール重点地区」に指定している。歩行喫煙はしない、たばこは決められた場所で吸うとしている。

 ハチ公前広場はこの年から喫煙所(45平方メートル)を設置した。だが、国際都市や観光都市として忠犬ハチ公像付近での喫煙はふさわしくない、といった景観改善を訴える要望が周辺の商店主らからあり、区は昨年11月に広場の喫煙所を撤去した。

 渋谷駅かいわいでは現在、分煙ルール重点地区に九つの喫煙所があり、ハチ公前広場の十数メートル先にも喫煙所がある。それにもかかわらず、広場の喫煙所跡地にはマナー違反が後を経たなかった。

 苦情などが相次いだことから、区は昨年末に広場に看板(縦61センチ、横92センチ)を3枚設置し、注意やほかの喫煙所を紹介するポスターを掲示した。成人の日の9日の昼下がり。喫煙所跡地では10人余りの若者が堂々と喫煙していた。

 区の担当者は「人気スポットのため、待ち合わせや観光客らが滞留しやすく、路上喫煙がなかなか減らない……」と困惑する。

 区の条例では、たばこの吸い殻を捨てた人には2万円以下の罰金が科せられるよう定めているが、路上喫煙の行為は対象になっていない。区は路上喫煙に対する罰則を条例に盛り込むことも検討しているという。

 喫煙所の跡地には公衆トイレが設置される予定だ。着工の時期は未定で、区はそれまで看板や職員の巡回などの対応で注意を呼びかけるという。

 (池田良)