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 女性議員が増え、男性に偏った議会を変える第一歩となることを期待する。

 衆参両院や地方議会の選挙で候補者の男女の数をできる限り「均等」にする――。

 そのために、政党に女性候補者の擁立を促す法案が、超党派の議員立法により今国会で成立する見通しとなった。

 男女比の努力目標を「同数」と表記するよう主張していた野党4党が、与党などの「均等」の表記を受け入れた。

 安倍政権は「女性活躍」を掲げ、「2020年までに指導的地位の女性割合を30%にする」とするが、女性の進出はまだまだ進んでいない。

 とくに議会は圧倒的な男性社会だ。女性国会議員はいま衆院で44人(9・3%)、参院で50人(20・7%)。国際機関「列国議会同盟」が1月に公表した下院の調査では、日本の女性衆院議員の割合は統計対象国193カ国のうち163番目だ。

 都道府県議会における女性議員の比率も、2015年12月現在で10%に満たない。

 国会も、地方議会も、有権者を偏りなく代表しているとはとても言えない。

 今回の法案は強制力のない理念法で、あくまで政党の努力目標にとどまる。それでも、法成立後は国政選挙や地方議員選挙のたびに、各政党は女性候補者の比率が問われることになる。どの政党が女性候補者の擁立に本気かが、有権者の重要な判断材料の一つとなるだろう。

 女性議員が増えれば、より多様な声が議会に届く効果が期待できよう。多様性は、柔軟でバランス感覚のある政治を実現する素地となりうる。

 海外では、100を超す国が候補者や議席の一定割合を女性にする「クオータ制」を採用している。フランスや韓国などは憲法や法律で女性候補者の割合を義務づける。一方、オランダや英国などでは政党による自発的なクオータ制をとる。

 ドイツでは、緑の党が1986年に選挙名簿に女性と男性を交互に載せる手法を導入したのをきっかけに、女性票を意識した他の政党にも自発的なクオータ制が広がった。いまや連邦議会の女性議員は4割に迫る。

 日本も女性の政治参加を当然と受け止める社会でありたい。

 そのために、依然として女性の負担が重い育児や家事、介護などの役割分担をはじめ、女性が政治に参加しやすい環境をどうつくっていくか。

 今回の立法を、それに向けた方策を社会全体で考えていく契機にしたい。

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