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 きのうの早朝、北朝鮮西岸から、4発の弾道ミサイルが日本海に向けて発射された。

 3発は日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下し、残りの1発もその付近に落ちた。

 予告もない暴挙である。船舶などに被害はなかったが、危険極まりない行為であり、絶対に容認できない。

 国際社会が核・ミサイル開発に強い反対の意を唱えているにもかかわらず、北朝鮮は挑発行動をやめようとしない。

 北朝鮮メディアは、自衛のための発射は不法ではないなどと身勝手な主張を繰り返したが、今回も国連安保理決議に対する明白な違反である。

 行動の背景には、ことしも始まった大規模な米韓合同軍事演習への反発があるのだろう。

 トランプ米政権は、オバマ前政権が北朝鮮にとった「戦略的忍耐」の政策を変える方針とされる。北朝鮮は、米本土を脅かすミサイルの開発を急ぐが、本音では対米関係の改善を望んでおり、真っ向から対決姿勢をとることにためらいがにじむ。

 中距離の射程にとどめているのはそのためとみられるが、核・ミサイル開発を続ける限り、米国との対話は遠のくばかりだということを悟るべきだ。

 中国の国会にあたる全国人民代表大会が開かれているさなかに発射したことも注目される。北朝鮮は昨年9月にも、北京で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開催中に、中距離弾道ミサイル3発を日本のEEZに落下させた。

 北朝鮮経済を支える中国は、日米韓から北朝鮮への制裁履行を迫られている。中国商務省は先月、北朝鮮産の石炭の輸入を年末まで止めると発表した。

 そうした中国の動きに対しても北朝鮮は反発を募らせ、危うい行動を続けているようだ。

 だが、北朝鮮が自身の姿勢を改めない限り、中国の国内でも北朝鮮を突き放せという声が強まるのは自然の流れだろう。

 最高指導者、金正恩(キムジョンウン)委員長の異母兄がクアラルンプール空港で殺害された事件では、相互にビザなし渡航を認めていたほどの友好国、マレーシアとの関係も急速に悪化している。

 北朝鮮側は現地警察の捜査に応じないばかりか、激しい捜査批判を続けている。そのため、マレーシア政府は北朝鮮大使を国外退去処分にした。異常な振るまいへの当然の対応だ。

 国際社会からの制裁には慣れている、と公言してきた北朝鮮だが、包囲網は一歩ずつ狭まっている。すべては北朝鮮自らが招いた孤立と苦境である。

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