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 大阪の学校法人「森友学園」による小学校予定地の取得問題で、与党が関係者の国会招致に後ろ向きだ。だが連日の審議でも、財務省などから納得のいく説明があったとはとてもいえない。もはや当事者に直接、事情をただすべき段階だ。

 野党は、学園の籠池(かごいけ)泰典理事長や当時の近畿財務局長らの参考人招致を求めている。

 これに対し菅官房長官は、この問題には「違法性がない」として否定的だ。しかし、当時の記録が廃棄されるなど、違法かどうかを判断できる材料が示されていないのが現実だ。この壁を乗り越え、真相に迫るのが国会の役割ではないか。

 改めて疑問を整理したい。

 国有地の鑑定価格から値引きされた「ごみ撤去費8億円余」の根拠は何なのか。

 09年度の実地調査では、敷地の地下3メートルまでの容積当たりのごみ混入率は平均20・7%だった。だが土地を管理していた国土交通省大阪航空局は独自の算定で47・1%とした。算定は通常、入札で選んだ専門業者に委託する。そうしなかった理由を、国交、財務両省は「開校が迫り、時間がなかったため」というが、あまりに不自然だ。

 売却価格を公表しなかったことや、学園がごみ撤去をしたか国が確認しなかったことなどとあわせ、いつ、誰が、なぜそう決めたのか、証言が不可欠だ。

 政治家の関与の有無も解明が求められる。籠池理事長が自民党の鴻池祥肇(こうのいけよしただ)元防災相の事務所を訪れ、有利な取り計らいをあれこれ頼んでいた様子が、事務所の報告書に残されている。

 また、15年に埋設物を撤去した際、近畿財務局が一緒に出た産廃土をその場に戻すよう業者に指示した、との記録も見つかった。事実なら廃棄物処理法に違反する。「そんな指示はあり得ない」(財務省)という釈明だけで済む話ではない。

 見過ごせないのは、国会の質疑で自民党議員が一連の疑惑を「フェイクニュース」と言い放ったことだ。だが首相も「腑(ふ)に落ちる説明がなされなかった」と認めている。解明に乗りだすこともせず、偽ニュース呼ばわりとは、どういうことか。

 小学校設置をめぐっては、学園が大阪府に報告した内容に、事実と異なる点が次々と見つかっている。愛知県内の中等教育学校に推薦枠があるという話や、校舎の建築費の記載にも虚偽があった疑いが出ている。

 申請に偽りがあるなら、不認可の判断もあり得る。新年度はもう間近だ。府教育庁は速やかに結論を出すべきだ。

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