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 疑問はいっこうに晴れない。

 安倍首相はきのうの参院予算委員会で、「森友学園」への国有地払い下げや学校認可に、自身や妻昭恵氏が「まったく関与していない」と強調した。

 審議で焦点となったのは、首相夫人付の政府職員から籠池(かごいけ)泰典氏に届いたファクスだ。

 証人喚問での籠池氏の証言によると、国有地の買い上げ条件の緩和についての相談を、昭恵氏の留守番電話にメッセージとして残した。

 その後、首相夫人付職員は次のファクスを籠池氏に送った。

 「財務省本省に問い合わせ、国有財産審理室長から回答を得ました」「なお、本件は昭恵夫人にもすでに報告させていただいております」

 「工事費の立て替え払いの予算化について(略)平成28年度での予算措置を行う方向で調整中」と、政府予算に言及した部分もある。

 首相は、ファクスは籠池氏側から首相夫人付への問い合わせに対する回答で、昭恵氏は報告を受けただけだと主張する。しかし、国家公務員である首相夫人付の職員が、昭恵氏の了解もなく一学校法人の要望を官庁に取り次ぐものだろうか。

 首相は、首相夫人付の行為について「事務的な問い合わせで、依頼や働きかけ、不当な圧力はまったくない」という。だが首相夫人付からの問い合わせは、官庁に政治的な影響力を持ちうる。

 自らが持つ権力の重さや周囲の受け止めを、首相と昭恵氏はどう考えているのか。

 稲田防衛相も発言の信用性がいっそう疑われる事態だ。

 稲田氏はこれまで、弁護士である夫が「本件土地売却にはまったく関与していない」と述べていた。だが籠池氏の証言を受け、夫が16年1月の籠池夫妻と国側との話し合いに同席した事実を認め、「(国有地)売却の話ではなく、借地の土壌汚染対応の立て替え費用の返還の話」だったと語った。

 籠池氏の喚問での証言に対し、昭恵氏は自身のフェイスブックで「籠池さんから何度か短いメッセージをいただいた記憶はありますが、土地の契約に関して、まったくお聞きしていません」などと反論した。

 だが、自分の主張を一方的に述べるフェイスブックでの説明だけで、首相夫人という公的存在としての説明責任を果たしたとは到底、言えない。

 籠池氏は、虚偽を述べれば偽証罪に問われる証人喚問で証言した。昭恵氏も自ら国会で説明すべきである。

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