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 こんな行動を繰り返す限り、孤立を脱する道は開けないことが今も分からないらしい。

 北朝鮮が日本海に向け、またミサイルを発射した。北朝鮮メディアは、新型の地対地中距離ミサイル「火星12」で、「試射は成功した」と伝えた。

 国際社会は、核・ミサイル開発を自制するよう警告を強めてきた。トランプ米政権は「戦略的忍耐」は終わったとし、軍事的な圧力を増していた。

 その一方で、トランプ大統領は金正恩(キムジョンウン)氏との会談の可能性にも言及した。北朝鮮の行動次第で緊張の事態は変わりうるという硬軟両様のシグナルだった。

 それに対する答えが、米本土に達する大陸間弾道ミサイルの一歩手前ともみられる新型ミサイルの発射だった。

 米国が軍事行動に動く寸前まで迫り、核兵器や多種のミサイルを備えた国として渡り合いたい――。そんないつもながらの稚拙な考えが透けて見える。

 しかし、こんな瀬戸際政策で活路は決して開けない。

 国連安保理は、北朝鮮が核・ミサイル実験を続けるなら「さらなる重大な措置をとる」とする報道声明を出した。

 このままの状態が続けば、北朝鮮の生命線と言われる石油の禁輸措置も現実味を帯びるだろう。引きつづき中国を筆頭に、国際社会は制裁を徹底する努力を強めるべきだ。

 ただ、北朝鮮が今も米国との本格的な対話の再開を望んでいることに変わりはあるまい。

 北朝鮮はこれまで、緊張を高めた後で、何もなかったかのように米国との対話を呼びかける変化を見せてもきた。

 北朝鮮が体制の保証を取り付けたい最大の相手は米国であり、金政権の真剣な対応を引き出せる場は米朝協議しかない。

 圧力で北朝鮮の改心を待つだけなら、核・ミサイル開発の流れは変えられないだろう。

 北朝鮮外務省の高官は先日、元米高官と欧州で話し合いの場をもった。日米韓に中ロを加えた6者協議の参加国は、北朝鮮の微妙な変化に目をこらし、効果的な交渉の席に引き込む努力を惜しんではならない。

 トランプ氏と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は、圧力と意思疎通の双方の道をにらむ構えだが、安倍首相からは圧力を繰り返す単調な発言しか聞こえない。

 北朝鮮問題をめぐっては、制裁であれ、融和であれ、どちらか一辺倒の硬直化した政策では打開につながらないことを各国が経験済みだ。日本も米韓との調整を強め、複眼的な結束行動で臨むよう努めるべきだ。

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