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 全国高校野球選手権大会が、8月7日に開幕する。今月中旬からは代表校を決める地方大会も始まり、甲子園に向けた球児の夏が本格化する。

 日本高校野球連盟には先月、2人の女性理事が誕生した。前身の全国中等学校野球連盟時代を含め、71年の歴史で初めてだ。企業やさまざまな団体で女性の幹部が活躍する中、遅すぎたくらいだが、新たな視点で、球児の活躍を支援するために力を発揮してほしい。

 背景には、八田英二会長の意向がある。昨夏の選手権大会。女子マネジャーの甲子園練習への参加を大会本部が制止したことに疑問の声が寄せられ、今春の選抜大会から条件付きで外野ノックのボール渡しなどに限り、参加を認めた。この件をきっかけに、女性の意見が欠かせないと感じたという。

 理事会は35人で構成され、運営のあり方を議論する。

 新理事の一人、寺田千代乃氏は引っ越し会社「アートコーポレーション」社長だ。就任の記者会見で寺田氏は「少子化や女性の活躍は世の中でも課題だ。国民的な行事の存続のために意見を言いたい」と述べた。

 多様な観点での発想が運営に反映されるよう、男性や野球経験者では気づきにくいことも積極的に提言してほしい。

 甲子園に女性が登場した歴史はまだ浅い。女性の野球部長が初めてベンチ入りしたのが1995年の夏。翌96年夏、記録員のベンチ入りが可能になり、女子部員がスコアをつける姿はこの20年で定着してきた。

 日本高野連によると、16万人を超す野球部員のうち推計で約8%が女子という。マネジャーや記録員のほか選手もいる。大会でプレーはできないが、茨城や埼玉の地方大会では開会式に女子部員が参加した。

 時代の変化を踏まえつつ、全国の野球部をどう支え、高校野球を発展させていくか、考えるべき懸案は多い。

 とくに優先すべきは、選手の健康管理だ。高野連は、引き分け再試合を避けるため、決められた回から得点しやすい状況で攻撃を始めるタイブレーク制導入の議論を続けている。

 従来のやり方を望む選手やファンもいるだろう。一方で、過度の負担は選手の故障につながりかねない。慎重な検討が必要だ。女性も多い応援・観客席の環境を整えることも課題だ。

 甲子園大会は来年、春が第90回、夏は第100回の節目を迎える。高野連は様々な意見を聞きながら、一歩ずつ必要な改革を進めていってほしい。

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