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 1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑が確定し、静岡地裁の再審開始決定で48年ぶりに釈放された袴田巌さん(81)の即時抗告審で、決定の根拠となったDNA型鑑定の検証が終わった。検察側が推薦し、東京高裁が検証を依頼した法医学者は「(弁護側推薦の法医学者の鑑定は)鑑定手法としては不適切」と結論づけたとみられる。

 今回の結論が、再審開始を認めるかどうかの高裁の判断に影響を与える可能性もある。

 検察側が推薦した鈴木広一・大阪医科大教授が6日までに報告書を提出した。

 検証したのは、「犯行時の着衣」とされたシャツの血痕からDNA型を抽出した本田克也・筑波大教授(弁護側推薦)の手法。静岡地裁は、DNA型は袴田さんと一致しないとする本田教授の鑑定結果を「新証拠」として、再審開始決定の決め手の一つとした。

 関係者によると、鈴木教授は、事件の試料とは別の古い血痕で検証し、「本田教授の手法で鑑定を試みたが、試薬がDNAを壊したと考えられ、鑑定手法としては不適切」と指摘している。高裁は秋にも両教授を尋問する意向とみられる。

 弁護団は、本田教授の鑑定が約4カ月で終わったことを指摘し、「鈴木教授の検証は1年半もかかり異常に長い。検証の手法は疑わしく、審理に影響はないと考える。高裁は速やかに判断すべきだ」と訴える。(志村英司、堀之内健史)

 <訂正して、おわびします>

 ▼6月6日付夕刊社会面と同7日付朝刊社会面の、静岡県で1966年に起きた一家4人殺害事件で再審開始が決定した袴田巌さんの即時抗告審に関する記事と見出しに誤りがありました。鈴木広一・大阪医科大教授が東京高裁に提出した検証報告書の内容を報じた部分で、再審開始決定の決め手となった弁護側推薦の法医学者のDNA型鑑定について「再現できず、信用性がない」とあるのは、「鑑定手法としては不適切」の誤りでした。また、鈴木氏が「『試薬がDNAを壊した』と指摘している」とあるのは、「『試薬がDNAを壊したと考えられ、鑑定手法としては不適切』と指摘している」の誤りでした。鈴木氏の検証でもDNAが採取されたケースがありました。表現について関係先への確認が不十分でした。

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