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 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権が発足して1カ月がすぎた。まずは堅実な政権の滑り出しを評価したい。

 朴槿恵(パククネ)前大統領の弾劾(だんがい)の後だけに、韓国は内政も外交も課題山積だ。文政権が独自の政策で手腕を発揮するまでには、まだ時間がかかるだろう。

 ただ、韓国外交の基軸は、自由と民主主義の価値を共有する米国と日本との連携におく姿勢を忘れずにいてもらいたい。そのうえで、南北朝鮮の対話をめざすリベラル派政権として足場を固めてほしい。

 文氏の最初の外遊先は、米国である。月末にトランプ大統領と会う。朝鮮半島の安全保障の礎である米韓同盟を再確認するのは有意義な一歩となろう。

 韓国が配備する迎撃ミサイルシステムの問題では、中国が今も反発している。だが、問題の根源にあるのは、北朝鮮の挑発だ。中国がもっと積極的に北朝鮮を説得するよう、文政権は強く迫ってしかるべきだ。

 日本についても文氏は、関係を強めたい意向を示している。2年前の日韓慰安婦合意に対する認識の違いなど、日本側の一部で懸念があったが、互いに配慮し、正面からぶつかる事態には至っていない。

 きのうは訪韓中の二階俊博・自民党幹事長と文氏が会談した。来月にドイツである主要20カ国・地域の会合では、安倍首相との首脳会談が行われる。

 文氏は首脳が相互訪問するシャトル外交の再開を提案している。朴前大統領は結局、一度も来日しなかっただけに、文氏には早期の来日を期待したい。

 南北対話を訴える文氏を突き放すかのように、北朝鮮は4週連続でミサイルを撃った。

 北朝鮮はかつて、対話を呼びかけた金大中(キムデジュン)、盧武鉉(ノムヒョン)両政権に対しても挑発を繰り返し、関係改善への「本気度」を試した。とりわけ盧氏の場合、大統領就任前後にミサイルを続けざまに撃つなど現状と似ている。

 だが両政権とも説得を続け、南北首脳会談を実現させた。文政権も試練が続きそうだが、南北の和解と協力をめざす目標を抱きつつ、粘り強く対応していく以外に道はないだろう。

 韓国の世論調査では文政権の支持率は80%前後。人事面で自身を支持しないグループから抜擢(ばってき)するなど、国民統合を強調する姿勢が評価されている。

 韓国をとりまく情勢は厳しいが、冷静な政権運営を続けて内外の信頼を築いてほしい。

 日本政府も、文政権への協力を惜しんではなるまい。東アジアの和平と繁栄には、韓国の安定が必須の条件なのだから。

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