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 既成政治への不満が、東京都議会の勢力図を一変させた。小池知事が率いる地域政党・都民ファーストの会が第1党に躍進し、自民党は惨敗を喫した。

 都議会は、顔ぶれだけ見ればこれまでも新陳代謝を繰りかえしてきた。だがベテラン議員の発言権が強く、体質の古さは解消されなかった。

 都民ファーストの公約の最大の柱は、その議会の改革だ。都民との約束を果たすことに、まず全力を注いでもらいたい。

 現状はどうなっているか。

 たとえば、どんな条例案を審議しているのか市民が知ろうとしても、議会のホームページには概要しか載らない。実質的な議論が交わされる委員会の様子はネット中継されない。

 そもそも議員定数の配分がゆがんでいる。人口69万人の江戸川区から選出される都議は5人なのに、68万人の足立区は6人。同様の説明のつかない現象があちこちにみられる。

 予算や住民同意の取りつけが必要な事業とは異なり、こうした不合理は議員のやる気さえあれば、直ちに是正できる。市民感覚、情報公開、公正・透明など、選挙で訴えたものが本物だったのか早々に試される。

 気になるのは、かねて指摘されている知事との関係だ。

 小池氏はきのう突然、都民ファーストの代表を辞めると表明した。知事が代表を兼ねれば、所属議員は都政のチェックという本来の使命を果たせないのではないか。そんな指摘にもかかわらず、「改革のスピードを上げる」という理由で、わずか1カ月前に就いたポストだ。

 選挙の顔の役目が終わると、さっさと放り出して批判をかわす。そのくせ、実態は党のトップとしてにらみをきかせる。

 こんな調子で、都民ファーストの議員らはこの先、小池氏にもの申すことができるのか。知事に付き従うだけでは、生まれては消えた永田町の「チルドレン」と同じく、早晩、有権者に見放されてしまうだろう。

 市場移転問題で明らかになったように、都政へのチェック機能を十分に果たしてこなかった公明党が、引き続き知事を支える側に回る。過去をどう総括・反省し、いかに振る舞うのか。これも注目される点だ。

 都議選は国政の影響を直接うけて、各党の勝敗が決することが多い。今回もそうだった。そして審判を終えると、有権者の関心は急速に失われてゆく。

 それが「古い都議会」の温存につながってきた。同じ轍(てつ)を踏まぬためには、都民自身が目を光らせ続けるしかない。

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