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 防衛省・自衛隊のみならず、安倍政権全体の信頼性が問われる事態である。

 南スーダンの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊部隊の日報が、「廃棄した」とされた後も陸自内で保管されていた問題で、対応を協議した2月の幹部会議に稲田防衛相が出席していたことがわかった。

 稲田氏は「隠蔽(いんぺい)を了承したとか、非公表を了承したとかいう事実は全くありません」と述べたが、複数の政府関係者が稲田氏の出席を認めている。

 この問題で組織的な隠蔽があった疑いはかねて指摘されてきた。稲田氏は3月、報道で陸自に日報が保管されていた事実が判明した後に、報告を受けていたかどうかを国会で民進党議員に問われ、「報告はされなかった」と答弁している。

 その稲田氏が幹部会議に出席し、報告を受けていたとすれば、防衛省トップとして公表を指示せず、さらには国会で虚偽答弁をしていた疑いが極めて濃くなる。

 稲田氏は、直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を指示したとして、国会での野党の質問に対して具体的な説明を拒んできた。だが監察結果は今なお公表されていない。

 そもそも特別防衛監察の対象に防衛相ら政務三役は含まれていない。そこに稲田氏自身の関与が疑われる事態となれば、もはや防衛省内での解明には限界があると言わざるをえない。

 やはり国会での真相究明が不可欠である。

 来週、衆参の予算委員会の閉会中審査が予定されているが、加計学園や森友学園の問題など論点は山積みである。野党が憲法53条に基づき要求している臨時国会をすみやかに召集するよう、安倍内閣に強く求める。

 稲田氏はこれまでも東京都議選の応援演説で「防衛省、自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いしたい」と呼びかけるなど、防衛相として不適格な言動を重ねてきた。なのに今も防衛相を続けているのは、任命権者の安倍首相が政治的主張の近い稲田氏をかばってきたからだ。

 今回の事態を受けても、菅官房長官は「今後とも誠実に職務にあたっていただきたい」と稲田氏を続投させる意向だ。

 だが現状をみれば、実力組織である自衛隊への文民統制が機能しているとは到底言えない。この異常事態はただちに収拾する必要がある。

 来月の内閣改造で稲田氏を交代させればいい。首相がもしそう考えているなら、甘すぎる。

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