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 いまの事態を本当に憂慮しているのなら、北朝鮮の友好国である中国とロシアは具体的な行動をもって、最大限の努力を尽くすべきである。

 北朝鮮はおととい深夜、弾道ミサイルを発射し、日本の排他的経済水域に落下させた。大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験に成功したとしている。

 ICBMの発射は今月4日に続き2回目とされる。今や射程は1万キロ超ともいわれ、脅威はアジアにとどまらない。

 大量破壊兵器の開発に国力を注ぐ金正恩(キムジョンウン)政権の異常さに国際社会は憤りを募らせている。

 ところが国連安保理の動きは鈍い。最初の発射への対応についても意見がまとまっていないのは憂慮すべき事態だ。

 国際社会が声をひとつにして北朝鮮に反対姿勢を示せない責任は、中国とロシアにある。

 貨客船「万景峰(マンギョンボン)号」の定期航路を開くなど、ロシアは最近、北朝鮮との関係を強めている。安保理で米国などがめざしている新たな制裁決議についても、反対の立場を変えていない。

 もしロシアが北朝鮮への影響力を対米外交の駆け引きに利用するならば、常任理事国として無責任というべきだ。

 一方、中国外務省はきのう、ミサイル発射について「安保理決議と国際社会の普遍的な願いに背いた」と非難した。

 確かに中国は北朝鮮への締め付けを強めてはいる。2月には北朝鮮の主要な外貨獲得手段である石炭の輸入を止めた。

 だが、中国の税関によると、今年上半期の北朝鮮への輸出は前年に比べて30%近く増えた。

 中国側は禁輸リスト外の貿易と主張するが、統計上は近年、輸出がないとされる石油を、実際にはどの程度供給しているのかも明らかにすべきだろう。

 北朝鮮はかつて、中国と旧ソ連の間を行き来する「振り子外交」を繰り返した。大国の力を利用して打開策を探りつつ、結局は自主路線を強め、現在のいびつな体制を作り上げた。

 北朝鮮が本当に危機感を抱くのは、日米韓に中ロが加わり、行動をともにする時である。核とICBMは国際社会全体を脅かす以上、中ロも安保理の新たな決議に同調すべきだ。

 日米両政権はいずれも国内問題で支持率が低迷し、韓国は新型迎撃ミサイルシステムの配備をめぐって揺れている。北朝鮮のミサイル発射には、各国の国内の葛藤を突き、足並みを乱す狙いも含まれているはずだ。

 関係各国は自国の利害だけに固執せず、暴挙を止めるための行動で結束すべきである。

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