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 マンホールから水が噴き出し、冠水した道路で車は立ち往生、川の水位が急上昇する。

 こんな激しい雨が、各地で相次いでいる。7月以降、日本列島は気圧の谷に入ることが多く、大気の不安定な状態になりがちだ。台風5号も近づきつつある。最新の気象情報を入手し、備えを怠りなくしたい。

 一般に雨が1時間に50ミリを超すと災害が起こりやすい。過去40年の統計で、50ミリを超す雨の回数は増えている。一方で雨の少ない日も増加しており、経験したことのないような短時間での大雨が増える傾向にある。

 土砂災害は毎年、600~1千件以上起き、その多くは夏季に集中している。秋までは雨の多い季節が続く。前例にとらわれない心構えが必要だ。

 注意したいのは、5日で発生から1カ月となる九州北部豪雨の被災地だ。まだ土砂の除去が終わっていない現場も多い。山腹が崩落し、むき出しの山肌は崩れやすい。被災者や復旧作業にあたる人も、大雨のときは早めの避難を心がけてほしい。

 今回の水害で浮き彫りになったのは、50年に1度といった想定を超す雨の場合、避難時間は十分にとれず、土砂災害の発生が避けられない現実だ。

 福岡県朝倉市では、気象庁などの情報を上回る速度で雨が降った。気象台や県が土砂災害警戒情報を出し、市が避難勧告を出した時には、山間部ですでに建物が流され始めていた。

 局地的な雨の予測は今の技術では難しい。迅速な防災情報を出せるよう、気象庁にはさらに研究を求めたい。一方で川や斜面の近くに住む人は自宅の災害リスクを認識し、自らの判断で先手を打って行動することが、命を守るために大切だ。

 国交省によると、九州豪雨では福岡、大分両県が管理する60以上の河川で堤防の決壊や護岸損壊がおきた。多くが筑後川水系の中小河川だ。川幅が狭く、勾配が急で、降り始めから氾濫(はんらん)までの時間が短い。山が崩れると多量の土砂や流木が発生し、水位の上昇を引き起こす。

 秋田県でも先月22~23日に平年の約1・5カ月分の雨が降り、20以上の中小河川で溢水(いっすい)などがおきた。

 都道府県が管理する河川の長さは国管理の川の約10倍あるが、水位計のない所も多い。国交省は川ごとの氾濫リスクを検討したり、首長への連絡体制をきめ細かくしたりし、流域自治体への支援を拡充すべきだ。

 夏の天気は急変する。豪雨災害は、場所を問わずに起こることを再認識しておきたい。

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