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 大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射を繰り返した北朝鮮への新たな制裁が、国連安保理で決まった。

 7月の最初の発射から1カ月あまり。中国とロシアの抵抗で手間どったが、国際社会の意思を明示する決議を全会一致で採択したことは評価したい。

 制裁はこれまでも再三の安保理決議で段階的に強められてきたが、期待された抑止の効果はもたらせなかった。

 今もカギをにぎる中国の真剣さが試されるとともに、日米韓も事態の打開をさぐる道筋を具体化する時が来ている。

 今回の制裁は、北朝鮮の外貨の稼ぎ頭である石炭のほか、これまで民生用に限って認められた鉄・鉄鉱石、さらに鉛と海産物を全面禁輸とする。実行されれば、国の輸出収入の3分の1を失うという。

 また、新たな北朝鮮労働者の雇用も初めて原則禁止にする。

 こうした経済的な圧迫で、核・ミサイルの開発を抑える狙いだが、韓国による調査では、北朝鮮の昨年の実質経済成長率は4%近いとの指摘もある。

 北朝鮮経済を支えている中国による交易が、不透明だとの見方は根強い。

 北東アジアの安定は各国共通の利益だ。中国とロシアは安保理決議の価値を守るためにも、真剣に実行すべきである。

 一方、北朝鮮が最大の交渉相手とみる米国と日韓の側も、平壌への圧力と反発のパターンから脱却する方策を具体的に編み出さなくてはならない。

 3国側はこれまで、非核化に向けた動きがない限り北朝鮮と対話しないとしてきたが、結果としてその時間を核・ミサイルの技術開発にあてられた。

 さらなる悪化を食い止めるためには、いったん北朝鮮に開発を「凍結」させるほかない。

 その方向に導く一歩は何か。

 金正恩(キムジョンウン)政権は、体制の維持への保証とともに、米国の譲歩を国内に誇示するといった政治的成果をほしがっている。

 その意味で、「北朝鮮の体制転換をめざすつもりはない」とティラーソン米国務長官が明言しているのは、現実的な誘い水を向ける出発点である。

 危うい一触即発の状態を続ける北朝鮮と米韓の軍事態勢のあり方や、政治交渉の手順など、段階的な対話の進め方について日米韓は早急に共通認識を固めておくべきだ。

 制裁の履行に尽力しながら、膠着(こうちゃく)状態を変えるための新たな結束行動の知恵を絞る。日米韓の政府には、そんな硬軟両様の外交が求められている。

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