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 北朝鮮が通算6度目の核実験を強行した。「大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験」だったとしている。

 先週、日本の上空を通過させた弾道ミサイルの発射につづく暴挙である。金正恩(キムジョンウン)政権の愚行に対し、改めて最大限の言葉で非難をしたい。

 これ以上の暴走を止めるために、国際社会は新たな対処を急がねばならない。とりわけ中国とロシアは事態の深刻さを直視し、行動すべきである。

 トランプ米政権の対外政策はまだ不安定であり、北朝鮮への対応は見通しにくい。韓国では北への対抗措置として、米軍の戦術核を韓国に再配備すべきとの声が出ている。

 朝鮮半島情勢の悪化でおきる安保環境の流動化は、日米韓だけを脅かすのではない。中国にとっても、国内の安定のために必要な経済発展を確保するうえで重大な懸案になろう。

 核とミサイルの実験の繰り返しは、大量破壊兵器の拡散を防ぐうえでも決して許されない。紛争やテロの蔓延(まんえん)に頭を痛めるのはロシアも同じだ。北朝鮮の挑発は、国際社会全体への脅迫ととらえるべきである。

 国連安保理では日米が北朝鮮への制裁強化に動いている。北朝鮮経済の生命線である石油の供給を止めたい意向だが、中国とロシアが反対している。

 北朝鮮への影響力を失い、制御できなくなるなどとして中国は抵抗しているようだが、現状を放置するだけでは北朝鮮の行動は変わらない。

 先の安保理決議で決まった石炭の全面禁輸などを履行するのは最低限の義務として、中国は具体的な方策を駆使して平壌に真剣な警告を発するべきだ。

 そのうえで中ロと日米韓は、北朝鮮の行動を少なくとも一時的に停止させる外交的な措置をめざす必要がある。

 日韓だけでなく、中ロにも計り知れない影響をもたらす軍事行動は選択肢になりえない。まず中国が影響力を最大限に行使したうえで、既存の6者協議も活用し、米朝間や多国間の対話の枠組みづくりを進めたい。

 北朝鮮は9日に建国記念日を控えており、国威発揚などのため、さらなる挑発をしかけてくる可能性がある。このまま国際社会は手をこまねいているわけにはいかない。

 今月は、ニューヨークでの国連総会を舞台にした外交の時節である。安保理の議論と並行して、日米韓中ロの各政府は調整を急ぎ、首脳や外相レベルの協議で実効性のある協調行動を実現させなければならない。

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