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 もう世間の関心が薄れたとでも思っているのだろうか。地方議員に支払われる政務活動費をめぐる不正が後を絶たない。

 「号泣県議」の元兵庫県議による不自然な支出が発覚して3年あまり。定数の3分の1にあたる14人の市議が辞職した富山市議会の不正受給発覚からは1年。その後も、秋田や福井の県議らが不適切な支出で一部を返還し、奈良や埼玉の県議や堺市議が不正疑惑で辞職した。

 神戸市議会では今年7月、架空の領収書で政活費をだまし取ったなどとする詐欺罪で、自民系の市議3人が在宅起訴された。別の市議も、市政報告の印刷代を不正請求した疑惑が浮上し、辞職。在職中死亡した1人を含め、計5人の市議補選がおこなわれる異例の事態だ。

 政活費は、議員報酬とは別に各会派や議員に支給される。いうまでもなく原資は税金だ。公金という認識の薄い人物が、住民代表として自治に携わるなど許されない。

 不正を防ぐには、使途がわかるよう、住民が容易にチェックできる仕組みがいる。そのために議会は使い道を裏づける文書をネットで全面公開すべきだ。

 全国市民オンブズマン連絡会議によると、都道府県、政令指定市、中核市の計115議会のうち、今年6月時点で領収書をネット公開しているのは30議会にとどまる。昨年の9議会から増えたが、3割以下だ。見せられない事情が何かあるのか。

 住民が情報公開制度で文書の公開を求め、点検する方法はある。だが、役所に出向く必要があり、コピー代もかかる。

 一部の自治体で導入している後払い方式も、もっと広がっていい。議員が領収書や活動報告書を議会に提出し、議長や事務局が審査したうえで支給する。企業では当たり前のことが、議会でできないはずがない。

 政活費は、5年前の地方自治法改正で調査研究を目的にしていた政務調査費の使途が広げられて名称をかえた。使途の拡大で自由度が高まり、実態は「第2の給料」とすら呼ばれる。

 連絡会議によると、支給された額のうち実際に使った割合は、富山市議会が15年度の100%から昨年度は約62%に。兵庫県議会は13年度は8割を超えたが、昨年度は約65%になった。不正発覚後の執行率の低下をみると、そもそも必要な支出だったのかという疑念もわく。

 不祥事が発覚した議会は、当面の支給をやめることや、必要性を含め検討してはどうか。そのぐらいの覚悟なしに、信頼を取り戻すことなどできない。

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