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 学校法人・森友学園の前理事長、籠池泰典と妻諄子(じゅんこ)の両被告が、大阪府、大阪市の補助金を詐取した詐欺罪などで、大阪地検特捜部に起訴された。

 国の補助金を含めた詐取総額は1億7千万円にのぼる。補助金不正の捜査はこれで終結した。だが、特捜部は、学園に国有地を大幅値引きして売った財務省職員らの背任容疑については、捜査を続けるという。

 繰り返すが、問題の核心は、国有地がなぜ8億円余りも値引きされたかだ。この点が解明されなければ、国民の納得は得られまい。捜査を見守りたい。

 この問題で新たな音声データの存在も明らかになった。

 財務省近畿財務局の職員が、学園側の希望する金額に近づけるために「努力している」と伝えていたことを示す内容だ。

 朝日新聞の取材によると、昨年5月、財務局の職員2人が学園の幼稚園を訪問し、「来月には金額を提示する」と説明。前理事長夫妻は、すでに国に伝えていた新たなごみに加え、「ダイオキシンが出た」と述べ、「0円に近い形で払い下げを」などと迫っている。

 財務局職員は汚染土の除去費の立て替え分としてすでに国が学園に約1億3200万円を払っており、「それを下回る金額はない」と理解を求め、10年の分割払いも提案し、「ご負担も減る」と説明した。

 翌月、土地は1億3400万円で、分割払いでの売却が決まった。国有財産の処分が、相手の要望に沿って決まったとすれば驚くほかない。国有地は一括売却が原則だ。「新たなごみ」が出たというなら地中を掘削して調べ直せばいい。国の立て替え分は売値とは別の話だ。

 このやりとりの前にも、財務局が「いくらなら買えるのか」と学園側にたずね、学園側が「1億6千万円まで」と答えたという関係者証言もある。

 音声データは特捜部も入手している。価格決定までの国の内部のやりとりについて、捜査を尽くしてほしい。

 焦点は、学園の小学校の名誉校長に安倍首相の妻の昭恵氏が就任していたこととの関係だ。

 国会も事実関係の確認に乗り出すべきだ。

 財務省理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)・国税庁長官は3月、国会で「(価格を)提示したこともないし、先方からいくらで買いたいと希望があったこともない」と述べた。分割払いも、学園の「要望」と答弁している。明らかに矛盾する交渉経緯が浮上している以上、臨時国会で真相を明らかにする必要がある。

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