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 小池百合子・東京都知事が新党「希望の党」を立ち上げた。

 7月の都議選で地域政党「都民ファーストの会」を圧勝に導いた小池氏が代表に就き、今度は国政選挙で政権批判票を吸い寄せることを狙う。

 今のところ小池氏の人気先行の「小池新党」の様相だが、衆院選への参入は既成政党の側に波紋を広げずにはおかない。

 自民、公明の与党は警戒感を強める。一方、新党への離党者がやまない民進党では、新党との合流を模索する前原誠司代表らの動きが続いた。

 だがその影響力の大きさとは裏腹に、新党には分からないことが多すぎる。最大の問題は、何をめざす政党なのか、肝心のそこが見えないことだ。

 「我が国を含め世界で深刻化する社会の分断を包摂する、寛容な改革保守政党を目指す」

 結党の記者会見で披露された綱領は冒頭、そううたう。

 経済格差や政治不信が既成政党にNOを突きつける。そんな先進国共通の潮流を意識したものだろうが、では「改革保守」とは何なのか。

 小池氏は「改革の精神のベースにあるのが、伝統や文化や日本の心を守っていく、そんな保守の精神」と語るが、得心のいく人がどれほどいるか。

 「しがらみ政治からの脱却」「日本をリセット」「身を切る改革」。小池氏らが訴える言葉は、これまで生まれた多くの新党のものと似ている。

 基本政策をめぐっても、説明が足りない。

 消費増税について、小池氏は「『実感が伴わない景気回復』を解決しなければ水を差す恐れがある」と引き上げには否定的だ。「原発ゼロ」の主張とあわせ、安倍政権との違いを打ち出したい狙いが鮮明だ。

 ならば将来の社会保障をどう支え、財政再建をどう果たすのか。原発廃止への具体的な道筋をどう描くのか。もっと踏み込んだ説明がなければ、単なる人気取りの主張でしかない。

 憲法改正については「議論を避けてはいけない。ただし、9条の一点だけに絞った議論でいいのか」という。安倍首相主導の改憲論議にどう臨むのか。

 今回の衆院選は、おごりと緩みが見える「安倍1強」の5年間に対する審判である。小池氏は選挙後について「しがらみ政治の一員に入ったら、何の意味もない」というが、安倍政権の補完勢力になる可能性は本当にないのか。

 小池人気に頼り、キャッチフレーズを掲げるばかりでは、有権者への責任は果たせない。

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