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 安倍政権の5年が問われる衆院選である。

 安全保障関連法やアベノミクス、原発政策など大事な政策論議の前にまず、指摘しておかねばならないことがある。

 森友学園・加計学園をめぐる首相の説明責任のあり方だ。

 首相やその妻に近い人が優遇されたのではないか。行政は公平・公正に運営されているか。

 一連の問題は、政権の姿勢を問う重要な争点である。

 党首討論やインタビューで「森友・加計隠し解散だ」と批判されるたびに、首相はほぼ同じ言い回しで切り返す。

 首相の友人が理事長の加計学園の獣医学部新設問題では「一番大切なのは私が指示したかどうか」「国会審議のなかで私から指示や依頼を受けたと言った方は1人もいない」という。

 首相自身の指示がなければ問題ないと言いたいのだろう。

 だが、それでは説明になっていない。

 首相に近い人物が指示したり、官僚が忖度(そんたく)したりした可能性を否定できないからだ。

 実際に、「総理のご意向」「官邸の最高レベルが言っている」と記された文書が文部科学省に残っている。

 首相は、愛媛県の加戸守行・前知事が国会で「ゆがめられた行政が正されたというのが正しい」と述べたことも強調する。

 しかし加戸氏の発言は、長年にわたって要望してきた学部設置が認められたことを評価したものだ。選定過程の正当性を語ったものではない。

 そもそも加戸氏は2年前の国家戦略特区の申請時には知事を引退していた。省庁間の調整作業や特区をめぐる議論の内実を知る立場にない。

 森友学園に関しては、妻昭恵氏と親交があった籠池泰典・前理事長とは面識がないことと、「籠池さんは詐欺罪で刑事被告人になった」ことを指摘する。

 そのうえで、昭恵氏の説明責任については「私が何回も説明してきた」と言うばかり。

 昭恵氏にからむ疑問に対して、首相から説得力ある答えはない。

 昭恵氏はなぜ学園の小学校の名誉校長に就いたのか。8億円以上値引きされた国有地払い下げに関与したのか。昭恵氏が渡したとされる「100万円の寄付」の真相は――。

 事実関係の解明にはやはり、昭恵氏自身が語るべきだ。

 首相が国民に繰り返し約束した「丁寧な説明」はまだない。首相はどのように説明責任を果たすのか。それは、選挙戦の大きな争点である。

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