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 第70回全日本合唱コンクール全国大会(全日本合唱連盟、朝日新聞社主催)は、中学校・高校部門が28、29日に大阪市のフェスティバルホールであり、その様子は全国約30カ所でほぼ同時に中継されます。また大学職場一般部門は11月25、26日に東京都の東京芸術劇場で開かれます。今回、晴れの舞台に挑む計125団体のなかから、4団体の意気込みを紹介します。

 ■中学校同声 菊陽町立菊陽中(熊本) 被災体験から見えた光

 モットーは「気持ちを伝える音楽」。外国語の歌詞でも内容を理解して自分の経験に重ね、感情を乗せることを大切にする。1曲目「Miserere」は悲しみや苦しみの中で神に救いを求める曲。災害やテロといった出来事を話し合い「救いを求める」とはどういうことなのかを考えた。

 昨年4月の熊本地震で、練習で使う公民館が被災。半年以上使えなくなり、学校の中庭や昇降口で練習した。でも悪いことばかりではなかった。「天井のない中庭で歌うと声が響いていないことに気がついた」と部長の坂本千夏子さん(15)。一人ずつ距離をとって歌い、どれだけ遠くまで声が通るのかを確かめた。

 絶望の中から霧が晴れ、光が差していく船旅を歌う「霧明け」との2曲で、一つの物語に紡ぐ。全国の舞台は2度目。坂本さんは「被災した私たちにしか伝えられないことがある」。

 (松沢拓樹)

 ■中学校同声 京都市立西京極中 全身鍛え、初の大舞台へ

 創部15年目で全国大会初出場。昨年まで関西支部大会で2年連続で金賞、「今年は全国を目標に頑張ってきた。それが実って、うれしい」と、部長の木村舞さん(3年)。

 明るく透明感のある女声で、島崎藤村の詩をモチーフにした「初恋」と「春の曲」を歌う。部員の大半が楽譜を読めないため、昨年末から時間をかけて曲をさらい、全身を使ってのトレーニングも積んだ。ソプラノのパートリーダー斉藤里菜さん(同)は「苦労もあったけれど充実していた」と振り返る。

 東日本大震災の復興支援コンサートや老人ホームなど、地域で演奏する機会も多い。顧問の山下文実(あやみ)教諭は「多くの方の応援をいただき、ここまで来ました」。木村さんら3年生には集大成の大会。「大切な人を思って歌おう、と呼びかけています。いい顔、いい声になりますから」

 (高橋淳子)

 ■高校A 金城学院高(愛知) 個性的な曲、表現豊かに

 自由曲は、明治・大正期の詩人山村暮鳥の詩に信長貴富が曲をつけた無伴奏女声合唱曲集「種子(たね)はさへづる」。ここから歌詞もメロディーも雰囲気がまったく異なる3曲を披露する。顧問の宮木令子教諭は「シュールで個性的な曲。表現力に磨きをかけた」という。

 部員たちはパートごとや全体のミーティングで何度も話し合い、抽象的な歌詞のイメージを膨らませてきた。体幹を鍛えるため、今年から朝の自主練習では筋トレの時間を大幅に増やしたという。

 中高一貫教育校。普段から合同で練習し、学校行事や地域のイベントなどの舞台に立つ。33年ぶりの全国の大舞台だが、部員33人全員が系列中学で全国大会を経験しているのが強みだ。部長の柴山美帆(みほ)さん(3年)は「結果にこだわらず、自分たちがベストを尽くせたと思えるような演奏をめざしたい」と話す。

 (滝沢隆史)

 ■室内 L’Aube des Temps(福島) 心合わせ、新たな音楽を

 「L’Aube des Temps」(ローブ・デ・タン)は仏語で「時代の夜明け」。10年前、福島県合唱連盟の創立60周年記念で欧州に遠征したメンバーが中心になって結成し、団名に新しい音楽や時代を切り開く決意を込めた。

 指揮をするのは全日本合唱連盟副理事長で、同県合唱連盟理事長の菅野正美さん(62)。現役のメンバーは10~40代の学生や会社員や教員らだ。練習は月に1回程度だが、代表の善方邦彦さんは「1回ごとに全員の音を合わせ、音楽を作り上げてきた」と語る。

 東北支部大会ではラトビアの曲「静寂の歌」を披露。繊細で優しい女声と、力強い男声が生み出す立体感に大きな歓声がわいた。

 室内合唱の部で強豪ひしめく福島県、東北支部の代表となり、全国大会への出場は今回で5年連続。善方さんは「ここからがスタートです」と言った。

 (飯沼優仁)

 ■出場団体(演奏順)

 今年のコンクールには、中学校、高校、大学職場一般の3部門に全国の計1629団体が参加した。審査の対象は中学校は自由曲のみ、高校、大学職場一般は課題曲と自由曲。自由曲は曲目、曲数に制限はないが、演奏時間は中学8分以内、高校6分30秒以内、大学職場一般8分30秒以内。

     *

 ●高校A(8~32人)

 (1)神奈川 日本女子大付属

 (2)愛知  桜花学園

 (3)愛知  金城学院

 (4)岩手  不来方(こずかた)

 (5)北海道 帯広三条

 (6)東京  杉並学院

 (7)高知  土佐女子

 (8)栃木  宇都宮中央女子

 (9)鳥取  米子北斗中・高

(10)島根  出雲北陵中・高

(11)宮崎  妻

(12)佐賀  佐賀女子

(13)奈良  畝傍(うねび)

 ●高校B(33人~)

 (1)岩手  盛岡第四

 (2)福島  郡山

 (3)兵庫  武庫川女子大付属

 (4)熊本  Choeur cinq

 (5)埼玉  叡明

 (6)千葉  幕張総合

 (7)埼玉  浦和第一女子

 (8)愛知  光ケ丘女子

 (9)北海道 札幌旭丘

(10)山形  鶴岡北

(11)東京  大妻中野

(12)香川  高松第一

(13)愛知  岡崎

(14)熊本  熊本第一

(15)香川  坂出

(16)埼玉  星野

(17)山口  野田学園

(18)京都  西城陽

(19)福島  安積黎明

(20)埼玉  松山女子

(21)埼玉  県立浦和

(22)福島  会津

 ●中学校混声(8人~)

 (1)島根  出雲市立第三

 (2)熊本  熊本大付属

 (3)宮崎  宮崎大付属

 (4)千葉  松戸市立第一

 (5)福島  郡山市立郡山第五混声

 (6)東京  町田市立鶴川第二

 (7)愛知  名古屋市立神沢

 (8)長野  信州大付属長野

 (9)島根  出雲市立斐川(ひかわ)西

(10)千葉  市川市立第五

(11)福島  郡山市立郡山第二

(12)兵庫  姫路市立広嶺(こうりょう)

(13)北海道 札幌市立琴似

(14)北海道 札幌市立手稲東

(15)愛媛  西条市立西条北

(16)香川  綾川町立綾南(りょうなん)・高松市立国分寺合同

(17)埼玉  春日部市立武里

 ●中学校同声(8人~)

 (1)愛知  名古屋市立守山東

 (2)神奈川 清泉女学院

 (3)福島  郡山市立郡山第五女声

 (4)愛知  名古屋市立桜山

 (5)栃木  那須塩原市立三島

 (6)青森  八戸市立根城

 (7)千葉  国府台女子学院

 (8)兵庫  武庫川女子大付属

 (9)岩手  矢巾町立矢巾北

(10)東京  大妻中野

(11)福岡  北九州市立二島(ふたじま)

(12)福島  二本松市立二本松第一

(13)北海道 札幌市立陵北

(14)三重  伊勢市立五十鈴

(15)福島  会津若松市立第四

(16)熊本  菊陽町立菊陽

(17)高知  土佐女子

(18)兵庫  神戸大付属

(19)熊本  熊本市立帯山

(20)島根  出雲市立第一

(21)京都  京都市立西京極

(22)群馬  伊勢崎市立第三

 〈以下、大学職場一般部門〉

 ●大学ユース(8人~、28歳以下)

京都  同志社グリー

山梨  都留文科大

東京  東京工大コール・クライネス

宮城  ジュニア&ユースコーラス“Raw-Ore”

山口  山口大混声

埼玉  Chor OBANDES

愛媛  愛媛大

北海道 北海道大

兵庫  関西学院グリー

愛知  名古屋大コール・グランツェ

福岡  九大混声

 ●室内(6~24人)

広島  “零”

北海道 ウィスティリア アンサンブル

長野  まい

福島  L’Aube des Temps

徳島  Serenitatis Ensemble

福岡  Chor Doma

京都  アンサンブルVine

東京  鈴優会

佐賀  ソレイユ

神奈川 マルベリー・チェンバークワイア

 ●同声(8人~)

東京  創価学会しなの

香川  monosso

岡山  Coro Piace

大阪  CLARICE

東京  お江戸コラリアーず

佐賀  Choeur Nature

福島  L’alba

北海道 HBC少年少女シニアクラス

神奈川 La Pura Fuente

愛知  VOCI BRILLANTI

 ●混声(8人~)

大分  ウイステリア・コール

大阪  ことのは

北海道 Baum

神奈川 やえ山組

新潟  ユートライ

埼玉  scatola di voce

千葉  VOCE ARMONICA

愛知  岡崎混声

福岡  うたうたい

山形  鶴岡土曜会混声

東京  Combinir di Corista

広島  ぽっきり

東京  CANTUS ANIMAE

愛知  ノース・エコー

大阪  淀川混声

愛媛  I.C.Chorale

岡山  こぶ

佐賀  MODOKI

奈良  Choeur Chene

宮城  グリーン・ウッド・ハーモニー

 ■初のライブビューイング、高校・中学校部門で 全国約30カ所の映画館など

 全日本合唱コンクールの高校、中学校部門の演奏を全国約30カ所の映画館などでほぼ同時に中継する「ライブビューイング」を実施します。

 会場は北海道、福島、群馬、埼玉、千葉、神奈川、東京、愛知、京都、大阪、山口、香川、愛媛、福岡の14都道府県の一部「イオンシネマ」と、栃木、兵庫、宮崎3県の別系列の映画館、福島県郡山市にある郡山女子大ホールの特設会場が16日までに決定しました。

 入場券は、28日高校部門と29日中学校部門をそれぞれ4区分に分けて発売し=表参照=、各映画館は地元の学校が出演する区分を中心に上映します。入場料は1区分につき一般2500円、高校生以下1300円。郡山会場では前売りもあり、1区分は一般2000円、高校生1000円など、プログラム付きの1日通し券は一般6500円、高校生以下3500円。

 チケットは各映画館のwebページや窓口で。郡山会場はチケットぴあのHPか店頭、セブン―イレブンなどの店頭で発売中。問い合わせは朝日新聞社知的財産室(03・5540・7638=平日10時~17時)。会場の追加や上映区分などの最新情報はhttp://gaga.ne.jp/gassho-live/別ウインドウで開きます

 企画・提供 朝日新聞社 ギャガ

 特別協力  全日本合唱連盟

 配給    ギャガ

 ■ライブビューイング時間表

 ◇28日=高校部門

 10:15~ A (1)~(13)

 14:30~ B (1)~ (8)

 16:25~ B (9)~(15)

 18:10~ B(16)~(22)

 ◇29日=中学校部門

 10:15~ 混声 (1)~ (9)

 12:10~ 混声(10)~(17)

 15:20~ 同声 (1)~(11)

 17:30~ 同声(12)~(22)

 ■大会案内

 〈日程〉

 ◇高校部門A、B=10月28日[土]▽中学校部門混声、同声=29日[日]、大阪・フェスティバルホール

 ◇大学職場一般部門 大学ユース、室内=11月25日[土]▽同声、混声=26日[日]、東京芸術劇場

 〈入場券〉

 ◇中学校・高校部門=前売り券は完売、当日券はありません

 ◇大学職場一般部門=10月25日[水]正午から先着順で、東京都合唱連盟ホームページ(http://tokyochorus.com/別ウインドウで開きます)などで販売します

 ◇問い合わせ 全日本合唱連盟(03・5540・7813、http://www.jcanet.or.jp/別ウインドウで開きます

 ◆朝日新聞デジタルの「合唱」ページ(http://www.asahi.com/edu/gassho/)やツイッター(@asahi_music)でも、たくさんの情報を発信しています。

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