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 第4次安倍内閣が発足した。

 全閣僚を再任。主要メンバーが続投する自民党執行部とあわせ、顔ぶれは変わらない。

 無理もない。首相が「仕事人内閣」と称した前内閣の発足から3カ月。目に見える「仕事」はほとんどしていない。

 その代わり、首相は何をしたか。憲法に基づく野党の臨時国会召集要求を無視したあげく、一切の国会審議を拒んだままの衆院解散である。

 衆院選で自民党は大勝した。来秋の党総裁選で首相が3選すれば、憲政史上最長の首相在任も視野に入る。だが、首相に向けられる国民の目は厳しい。

 衆院選直後の本紙の世論調査で、安倍首相に今後も首相を「続けてほしい」は37%、「そうは思わない」は47%。

 自民党大勝の理由については「首相の政策が評価されたから」が26%、「そうは思わない」が65%。首相が進める政策に対しては「期待の方が大きい」の29%に対し、「不安の方が大きい」は54%だった。

 こうした民意を意識すればこそ、首相は選挙後、「謙虚で真摯(しんし)な政権運営に努める」と誓ったのではなかったか。

 だが残念ながら、首相の本気度を疑わざるを得ない出来事が相次いでいる。

 きのう召集された特別国会を政府・与党は当初、数日間で閉じる方針だった。野党の批判を受け、会期を12月9日までとしたが、議論を避けようとする姿勢が改めてあらわになった。

 国会での野党の質問時間を削ろうとする動きも続く。実現すれば、行政府をチェックし、疑惑をただす立法府の機能が弱まる。数の横暴にほかならない。

 森友・加計学園の問題への野党の追及を何とかかわしたい。そんな狙いもうかがえる。

 だがいま、首相がなすべきことはそんなことではない。国民に約束した「謙虚」を、具体的な行動で示すことである。

 国会での野党との議論に、真正面から臨む。当たり前のことが第一歩になる。

 質問をはぐらかしたり、自らの言い分を一方的に主張したりするのはもうやめる。

 最後は多数決で結論を出すにしても、少数派の意見にも丁寧に耳を傾け、合意を探るプロセスを大事にする。

 特別国会で論じるべきは森友・加計問題だけではない。自ら「国難」と強調した北朝鮮情勢や少子化問題についても、十分な議論が欠かせない。

 国会でまともな論戦を実現する。首相の姿勢が問われる新内閣の船出である。

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