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 地球温暖化対策をめぐる国際会議、COP23が閉幕した。

 画期的なパリ協定の発効から1年。各国が対策に取り組もうと足並みをそろえたのに対し、米トランプ政権は今年6月に協定離脱を表明し、影響が懸念されるなかでの開催だった。

 全体としては、すでに170カ国が締結済みのパリ協定が推進力を失うことはなかった。会議では、2020年にスタートする協定のルール作りを加速することなどを文書で確認した。

 世界の年間平均気温は昨年まで3年続けて観測史上最高を更新し、海面の上昇も加速している。猛烈な台風やハリケーンの発生など極端な気象現象も相次ぎ、温暖化を意識せずにはいられないからだろう。

 にもかかわらず、トランプ政権は逆行をやめない。

 規定で20年まで正式離脱できない米国は、二酸化炭素の排出が多い石炭火力発電の可能性を会場でアピールした。政権の支持層を意識した動きだろう。

 国際NGOが「最悪の中の最悪」として米国に「特別化石賞」を贈るなど、会議の参加者は反発した。中国に次ぐ世界2位の二酸化炭素排出国である米国の無責任な姿勢は、「先進国が責任を果たしていない」という途上国の不満を噴出させた。今後も火種になりかねない。

 トランプ政権は、米国内からも異議申し立てが広がる現実をただちに直視するべきだ。

 商務省やエネルギー省、国務省など米国の13の公的機関は今月初め、「人間活動、とりわけ温室効果ガスの排出が20世紀後半以降の温暖化の主因である可能性が極めて高い」とする共同報告書をまとめた。

 米国の15の州政府を含む2500以上の自治体や企業などは、パリ協定の目標達成をめざす決意を示した。15州のガス排出量の合計は世界4位に相当するという。

 政権抜きでも前進しようとする動きは心強い。フランスは、米国が止めた温暖化問題の政府間パネルへの資金拠出を肩代わりすると表明した。日本もできることを積極的に検討したい。

 ところが国際社会からは、米政権ほどではないが、ガスの排出削減に消極的な国だとみられている。長期の削減戦略をいまだに示していないうえ、途上国への石炭火力発電の輸出を続けようとしているからだ。

 世界を見渡せば、化石燃料関連への投融資をやめたり、引き揚げたりする動きが相次ぐ。米政権の動きを追うばかりでは孤立しかねない。日本の政府と産業界は自覚してほしい。

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