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 衆院選後初めての予算委員会が衆院で行われた。

 「街頭演説で説明するよりも国会で説明したい」。森友・加計学園の問題について、そう語ってきた安倍首相にとって、初の説明の場である。

 ふたつの問題をめぐっては最近、新たな動きがあった。

 加計学園については文部科学相が獣医学部新設を認可した。森友学園への国有地の売却経緯をめぐっては、会計検査院が調査内容を国会に報告した。

 公平・公正であるべき行政手続きが、ゆがめられたのではないか。多くの国民の疑問に、首相は今度こそ「謙虚」に、「真摯(しんし)」に応える責任がある。

 だが、初日の論戦は十分に深まったとは言いがたい。

 最大の理由は、自民党の要求で野党の質問時間の割合が減ったことだ。従来は「与党2対野党8」だった質問時間は「5対9」に見直され、この日は政府への追及というより、政府と歩調をあわせるような与党の質問が5時間も続いた。

 そんな中で注目されたのは、森友問題での自民党の菅原一秀氏の質問である。

 菅原氏は、学園への国有地売却について、財務省職員が学園側に「ゼロに近い金額まで努力する」などと語る音声データが報じられたことを問うた。

 政府はこれまで「一方的な報道だと思う」としてきたが、この日は財務省幹部が、近畿財務局職員に事実関係を確認したことを初めて認めた。

 菅原氏は「結局、1億3千万円より下回らないと言っちゃってる。これは不適切であり、厳に戒めるべきだ」と指摘しながら、さらに踏み込んだ追及はしなかった。政府がなぜこれまでデータの内容を認めてこなかったのか、学園側となぜこのようなやりとりをしたのか、いくつもの疑問が積み残された。

 通り一遍の答弁は許さず、疑問があれば二の矢、三の矢を放つ。この日の与党質問は立法府のあるべき姿とは程遠い。

 与党の後に質問に立った立憲民主党の長妻昭氏が、質問時間の配分を従来通りに戻すべきだと主張したのは当然だろう。

 だが首相は「国会の運営について指示をする立場にない」とかわした。

 衆院予算委ではきょう、野党各党が質問に立つ。あすから2日間は参院でも予算委がある。

 行政府を監視し、政治に緊張感をもたせる。野党の役割を果たすことができるかどうか。

 菅原氏が問おうとしなかった質問を、きちんとただすべきなのは言うまでもない。

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