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 衆院の予算委員会はきのう、野党各党が質問に立った。

 改めて浮かび上がったのは、森友学園への国有地売却があまりにも不自然だったことだ。

 立憲民主党の川内博史氏は財務省幹部にただした。

 近年の同種契約のなかで、売却額を非公表にした例は。分割払いや、売却を前提にした定期借地契約を認めた例は……。

 「本件のみでございます」と4回続いた答弁が、異例の扱いぶりを雄弁に物語っている。

 だが結局のところ、募ったのはもどかしさと疑問ばかりだ。

 なぜ、そんな特別扱いをしたのか。学園の籠池泰典前理事長らと交流があった安倍首相の妻昭恵氏への忖度(そんたく)は、あったのか否か。肝心な点の解明が依然として進まなかったからだ。

 理由ははっきりしている。

 問題に直接かかわった当事者が口を閉ざしているからだ。

 森友問題では、昭恵氏や近畿財務局幹部、通常国会で答弁に立ってきた佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)。

 加計問題では、学園の加計孝太郎理事長や、特区の構想を進め、官邸も訪れたとされる地元愛媛県や今治市の職員らだ。

 野党が何度国会招致を求めても、与党が立ちはだかる。昭恵氏については首相が「私がすべて知る立場だ」とかわした。

 衆院選で大勝した自民党には「この問題をいつまで審議するのか」との声もある。だが問題を長引かせているのはむしろ、真相究明に終始一貫後ろ向きな政府や首相の姿勢である。

 森友問題では、約4カ月前から報じられていた学園側と財務局側の会談の音声データの内容を、一昨日の予算委でようやく認めた。加計問題でも、文部科学省の内部文書を1カ月近くも怪文書扱いした。

 「安倍1強」のもと、首相官邸の不興を買いかねない場面は避けたい。そんな与党や官僚の忖度の結果、ずるずると解明の機会を失うなかで、新たな疑問が膨らんでいく。

 この悪循環を断ち切れるのは首相自身である。

 首相はこの日、「交渉した当事者や責任者から説明するのは当然のことだ」と述べた。

 ならば、首相自身が財務省など関係省庁に改めて徹底調査を指示するべきだ。「国会が決めること」と身をかわさずに、関係者の国会招致を与党に求めることも欠かせない。

 ふたつの問題を引きずれば引きずるほど、首相と行政機構への国民の不信は増す。「一点の曇りもない」という首相なら、何をためらう必要があろう。

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