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 北朝鮮がきのう、弾道ミサイルを発射した。大量破壊兵器の開発をめぐる行動としては、2カ月半の「沈黙」を破った。

 核・ミサイル凍結のかすかな期待を裏切る蛮行である。日米韓が、国連安保理の緊急会合を求めたのは当然だ。

 国際社会は、暴挙を許さない決意を崩してはならない。国連の全加盟国が、いっそう結束を強めて対処すべきである。

 ミサイルは、過去最も高い約4500キロまで上昇したとされる。専門家によると、首都ワシントンを含む米国の東海岸にまで飛ぶ可能性がある。

 もし米全土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)ができたとすれば、軍事レベルは極めて危うい段階に入る。だが、大気圏に再突入する技術を得たかどうかなど、不明な点が多い。

 今回の発射が何より鮮明にしたのは、北朝鮮は当面、米全土を攻撃できる軍事力の追求をやめないという意思である。その意思を変えさせる方策を探しだす難題が続いている。

 この2カ月半の休止が何だったのか、読み方は難しい。

 米国は空母3隻を派遣するなど圧力を強めてきた。北朝鮮は、失敗を避けようと時間をかけて発射の準備を進めてきたという見方はできる。

 一方でこの間は、トランプ米大統領のアジア歴訪に伴う各国の会談に加え、中国特使による平壌訪問もあった。さまざまな動きを注視し、今後のふるまいを練ったのも確かだろう。

 すでに科された国連制裁は、これから本格的な効きめを表し、年末から北朝鮮経済は深刻な打撃を受けるとみられる。

 その厳しさに備えようということか、ここ最近、最高指導者の金正恩(キムジョンウン)氏は国内の経済分野での現地指導や視察を重ねた。

 きのう北朝鮮メディアは「国家核戦力完成」「ミサイル強国の偉業」と宣伝したが、その割にはあえて飛距離を抑える発射方法を選んだ。米国との軍事衝突は避けつつ、国内に実績をアピールしたい金正恩政権の思惑がうかがえる。

 そうした北朝鮮側の事情をにらみながら、あらゆるルートを駆使して外交の工夫を凝らすのが日米韓各政府の務めだ。

 かつて北朝鮮核危機に取り組んだペリー元米国防長官は、現況下で実行可能な軍事オプションはないとし、「対話しなければ、よい結果はそもそも得られない」と本紙に語った。

 国連制裁の履行を着実に進めつつ、中国、ロシアと調整しながら平壌との対話を探る。そのための外交力が問われている。

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