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今年の4月からスタートした機能性表示食品制度。6月には、実際の商品が市場に流通し始めます。

2年前(2013年6月)の「規制改革実施計画(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/130614/item1.pdf別ウインドウで開きます)」に、機能性表示食品制度が盛り込まれてからは、たびたびメディアにて報道され、ときには新聞の一面を飾ることもありました。

ただ、個人的に「ちょっと勇み足ではないかな?」「科学的視点からみると説明が不足していないかな?」と感じた内容の新聞記事やテレビニュースがあるようにも思いました。

過去のコラムでも紹介したことがありますが、機能性表示食品制度にかぎらず、医学・医療に関するメディア報道のあり方を勉強する「メディアドクター研究会(http://www.mediadoctor.jp/menu/about.html別ウインドウで開きます)」という組織があります。

写真・図版

研究会の目的は、次のようになっています。

メディアドクター研究会は、医療者、ジャーナリスト、政策立案者、患者・市民の連携により、医療・保健情報の評価を通じて、患者・市民にとって有益な情報に関する共通認識を形成し、その質を向上させることを目的とします。

決して、記事の不備な点をあら探しして非難することを目的としているのではなく、より良い記事になるためにはどうしたら良いのかの改善点を参加者全員で考えていくことを目的としています。

そして、報道内容を評価する際の基準や方法(http://www.mediadoctor.jp/menu/search.html別ウインドウで開きます)として、以下の11項目をとりあげています。

利用可能性(Availablity/Access)

現在、日本の患者・利用者が利用可能か、どのような人の利用に適しているかについて、正確な情報を提供している。

新規性(Novelty)

新規性の有無や、どのような点が新規であるかについて、正確な情報を提供している。

代替性(Alternative)

同じ疾患の治療・検査等に利用できる、他の適切な選択肢について述べ、比較情報を提供している。

あおり・病気づくり(Disease mongering)

その治療・検査等の対象となる疾患に対する不安を、明らかに煽る要素がない。

科学的根拠(Quality of Evidence)

その治療・検査等の効果や弊害について述べる際、裏付けとなる科学的な根拠を明確にしている。

効果の定量化(Benefits)

その治療・検査等の効果を、適切な数値や指標を用いて具体的に述べている。

弊害(Harm)

その治療・検査等を行うことによる弊害(有害事象の発生頻度や、発生した場合の不利益)について、適切に述べている。

コスト(Cost mentioned)

その治療・検査等を行う際、個々の患者・利用者が負担する費用の目安や費用対効果について、述べている。

情報源(News source)

独立した複数の情報源の取材に基づいて記事を作成している。複数の情報源に取材できない場合でも、既存の関連資料等を調査し、裏付けを得ている。利益相反の可能性について検討を踏まえた引用や取材を行っている。

ヘッドラインの適切性(Headline)

記事本文の内容を、センセーショナルに扱うことなく、正確に表している。

背景説明 (Background)

対象となる疾患・症状等について、わかりやすく説明している。

私の知る限り、このような取り組みを行っている組織は非常に珍しいと思います。

そして、ここからは宣伝になってしまうのですが、6月13日(土)18時から開催される、第41回メディアドクター研究会(http://mediadoctor.jp/menu/nextmeeting.html別ウインドウで開きます)で、講演をさせていただくことになりました。

テーマは、「健康食品の広告について考える:食品の機能性表示に関する話題」です。場所は、帝京大学板橋キャンパスになります。

シリーズでお伝えしている「機能性表示食品制度を知る」の内容も踏まえ、具体的な事例をとりあげながら、研究会の指標を用いて評価し、参加者同士で意見交換ができればと考えています。

コラムの読者の皆さんの中で、興味関心をお持ちの方は、週末土曜日の夕方からにはなりますが、一緒にメディア報道のありかたについて考えてみませんか。

【補足】

参加にあたっては、メディアドクター研究会のウェブサイトからの事前申込みが必要です。

申し込みサイト :  https://ssl.formman.com/form/pc/54OKThd9Moq3P0mV/別ウインドウで開きます

申し込み締め切り : 6月10日(水)

<アピタル:これって効きますか?・機能性表示食品制度を知る>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/kiku/(アピタル・大野智)

アピタル・大野智

アピタル・大野智(おおの・さとし) 大阪大学大学院准教授

大阪大学大学院医学系研究科統合医療学寄附講座 准教授/早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構 客員准教授。1971年浜松市生まれ。98年島根医科大学(現・島根大医学部)卒。主な研究テーマは腫瘍免疫学、がん免疫療法。補完代替医療や健康食品にも詳しく、厚労省『「統合医療」情報発信サイト』の作成に取り組む。

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